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空気ばかり読んでいると、空気しか読めない人間になる

「空気を読まない」はリーダーの資質でもある

2013年10月25日(金)

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問い:職場でよく「空気が読めない」と指摘されます。機転の利くしゃべりはどうすればできますか。(20代女性)

 遙から

 「空気を読む」ことの功罪に気づかされることがあった。

 公で発言する仕事というのは、何十年やっていてもまだ勉強か、と、目から1つウロコが落ちた思いがした。

プロだって空気が読めれば一流だ

 だいぶ以前になるが、空気を読めない奴、を批判的に位置づけることが世間で始まった。

 「KY」というアレだ。

 「空気を読む」ことは実はプロでも難しい。

 まずタレントがスタジオで客席にすることは軽口を叩いて“空気を和らげる”。その前にはADが拍手の練習を客に面白ろおかしく協力してもらい“空気を沸かせておく”。収録が始まると同時に“空気に緊張が走る”のを、タレントが“空気を壊す”ようにお客を笑わせて“空気を弾けさせる”。会話ですべって“空気が凍り”そうになるのを、誰かがつっこみを入れて“空気を冷やさない”ように助ける。

 プロでもこれだけのお膳立てと連係プレーが必要なのに、いったいどれほどの素人が、変幻自在に変容する空気を読む力量があるというのか。

 「あいつは空気が読めない」? プロだってそれができれば一流だ。

 1つの番組にはそれぞれ役割がある。それは組織で1つの部署に役割があるように。

 メインパーソナリティは爆走し番組の“空気に勢いをつける”。その空気を読み解けた人間が、そこに必要な、あるいは、意外性のある介入をし、そこで“空気の色が変わる”。

 つまり「いったいどうしたいんだ?」「なにをしようとしているんだ?」と、メインパーソナリティの言動の先を読む想像力がモノをいう。最近の番組では大勢のタレントが並ぶスタイルをよく見かけるが、これは、組織で上司を見ながら「いったいどうしたいんだ?」「なにをしようとしてるんだ?」と読もうとする部下たちと似ている。

 上司に気に入られた部下は、いい席を提供されていく。タレントと同じだ。

 この、“空気を読む”作業を、長年していたらどうなるか。

 「空気を読むプロ」になるのだ。当然だが。

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「空気ばかり読んでいると、空気しか読めない人間になる」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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