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政治的問題さえもハック!?

ハッカーは良い人?悪い人?

2013年11月5日(火)

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 ハッカー(hacker)という言葉は非常に厄介です。技術者の理解と一般社会の理解との間で、イメージの乖離が著しいからです。

 技術者はハッカーのことを「コンピューター技術を駆使して困難な問題を解決する人」ととらえています。善悪の価値で表現するならば、少なくとも「ニュートラル」、ほとんどの場合は「善」の価値を持つと見ています。本稿ではこれを「原義のハッカー」と呼ぶことにします。

 ところが一般社会では「コンピューター技術を駆使して悪事を働く人」というイメージが流布しています。例えば『広辞苑』(岩波書店)のハッカーの項目を調べると「コンピューターに精通し、熱中している人。転じて、コンピューター・システムに不法に進入してプログラムやデータを破壊する人」と掲載しています。「悪」の価値を持つ言葉と理解されていると言っていいでしょう。

 そんななか、最近「ハッカー」「ハック」「ハッキング」といった語形を含む新概念が増えています。具体的にはライフハック、ハクティビスト、グロースハッカー、シビックハッカーといった言葉が登場しているのです。本稿ではこれを、「ハッカー複合語」と呼びます。面白いことに新種のハッカー複合語でも、善悪の価値が複雑に入り混じっており、状況が一様ではありません。

 そこで今回の「社会を映し出す言葉たち」は、ハッカー複合語の最新事情を紹介します。複合語が増加している背景にはどんな社会的変化が存在するのか分析してみます。

ハッカー倫理と既存倫理の衝突

 ハッカーという言葉について、もう少し掘り下げてみましょう。どうして技術者と一般人との間にイメージの乖離が存在するのでしょうか?

 この問題について筆者は2つの要因があると思っています。

 1つは、悪意をもって不法行為を働く技術者が後を絶たないこと。この種の技術者をマスコミが「ハッカー」と紹介するため「ハッカー=悪人」との認識が広まってしまいました。

 もう1つの要因は、原義のハッカーが唱える倫理観(例えば「情報はすべて自由に利用できなければならない」)と一般社会の倫理観とが、時にぶつかり合うことです。

 原義のハッカーが自らを律する倫理観を「ハッカー倫理(hacker ethic)」と呼びます。1950~60年代にかけて米マサチューセッツ工科大学(MIT)で誕生した考え方だとされています。米国のジャーナリスト、スティーブン・レビー(Steven Levy)が著書の中で命名・紹介し有名になりました。

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「政治的問題さえもハック!?」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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