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インドの新しい空母が持つ戦略的意味

2013年12月24日(火)

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 インドの新しい空母が、ロシアからインドに向けて航行中だ。ロシアから購入した「ヴィクラマディティア」、ロシアの旧「アドミラル・ゴルシコフ」を改造した空母である(図1)。

図1:「ヴィクラマディティア」
(写真:Wikimedia Commons )

 この空母の取引に代表されるように、2013年は「空母」に関する話題が多い年だった。中国の空母「遼寧」が艦隊を率いて南シナ海へ出港した。日本も、戦闘機を運用する能力はないものの、ヘリ空母「いずも」を進水させた(注1)。ロシアの強襲揚陸艦「ウラジオストク」も進水した。この船はヘリ空母としての能力を持ち、ウラジオストクに配備されると言われている。そしてオーストラリアも、垂直離着陸が可能な戦闘機を運用する能力がある強襲揚陸艦「キャンベラ」を建造中だ。インドの空母の取引は、このようなアジアの動きの代表的事例と言える。

 なぜ空母なのだろうか。特に、インドのような国が空母を何に使うのだろうか。本稿は、インドが受領した新しい空母の戦略的な意味について考える。以下、どのような空母か、なぜインドは空母を保有するのか、今後の方向性、そして日本にとっての意味について分析する。

(注1)「進水」はまだ完成ではない。「就役」で完成・配備に至る。

手堅い中型空母

 インドの新しい空母「ヴィクラマディティア」は、満載排水量約4.5万トンで、空母としては中型だ。横須賀を母校とする米空母「ジョージ・ワシントン」(10万トン強)よりだいぶ小さく、中国が保有した空母「遼寧」(6万トン弱)よりも一回り小さい。しかし、日本が建造中のヘリ空母「いずも」(約2.5万トン)より大きい。

 ヴィクラマディティアは空母として必要な一通りの能力を有している。ロシア製の戦闘機「ミグ29」の最新型24機、レーダーを積んだ「カモフ31」と対潜水艦用の「カモフ28」という計10機のヘリコプターを搭載して運用することができる。ミグ29は半径1300キロメートルの範囲で活動可能、敵の戦闘機と交戦したり、敵の艦艇を攻撃する能力を持つ。

 ヴィクラマディティアの最高時速は29ノット(約55キロ)。1日に1300キロ移動し、補給なしで45日間継続して航行できる。インドの報道では乗員は1600人おり、1カ月で10万個の卵と牛乳2万リットル、16トンの米を食すると報道されている(注2)

(注2)空母の映像及び解説“Exclusive: on board the INS Vikramaditya”(NDTV, November 16, 2013)を参照。

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「インドの新しい空母が持つ戦略的意味」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

未来工学研究所研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、未来工学研究所研究員と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学東洋文化研究所客員研究員。専門は安全保障、インド。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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