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「燃料貧乏」で年が越せない?

英国にエネルギー高で新たな貧困層が増加

2013年12月26日(木)

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 先月、「なぜ、英国の電力価格は10年で2倍に上昇したのか」という記事で、英国で急激に電力価格が上昇している背景を分析した。主な原因は、市場は自由化されているにもかかわらず、「ビッグ・シックス」と呼ばれる大手電力会社6社による寡占が続いている状況にあった。だが、その電力価格よりも、上昇カーブが激しいエネルギーがある。ガスである。

 下の図を見ていただきたい。1990年を100とすると、電力価格の上昇率が2倍強であるのに対し、ガス価格の上昇率は3倍を超えている。

 ガス価格が急上昇してきた原因は、基本的には電力価格の上昇と同じだ。最大の理由は、2004年以降、英国領内の北海から産出される天然ガスが減少し、その代わりに輸入に頼らなければならなくなったからだ。最近のデータからも、英国領から産出されるガスは減少する一方、輸入が増えている状況が読み取れる。

LNGの輸入にも頼り始めた英国

 2013年第2四半期のガス生産量は前年同期比で2.8%減少したのに対し、ノルウェーからの輸入は同19.5%増加した。現在、英国はノルウェーとオランダからパイプライン経由で天然ガスを輸入するだけではなく、カタールやアルジェリアからLNG(液化天然ガス)も輸入している。島国である英国は、ロシアから豊富なガスをパイプライン経由で輸入できるドイツなど欧州大陸の国と異なり、高価なLNGにまで頼らざるを得ない状況になっている。

 さらに、欧州大陸の国々と比べて、ガスの備蓄可能量が少ないうえに、購入価格を長期契約で決めている割合も少ない。その結果、ガスの卸売価格が安くなったときはその恩恵を受けられる一方、逆に価格の上昇局面ではその影響を即座に受ける。ガス価格は長期的には上昇傾向にあり、英国の消費者はそのリスクに無防備ともいえる。

 英オックスフォード大学スミス・スクール・オブ・エンタープライズ・アンド・エンバイラメント(SSEE)のプログラム・ダイレクター、ベン・カルデコット氏は、「米国でシェール革命が起きているが、ガス価格が決まる国際市場における英国の存在は小さく、米国と同じようにシェール革命の恩恵は受けられないだろう」と話す。英国でもシェールガス採掘の可能性が議論されているが、採掘コストは米国よりも大幅に高くなる見込みで、北海産ガスの減少を相殺するには非効率と見られている。

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「「燃料貧乏」で年が越せない?」の著者

スカーレット

スカーレット(ろーら・すかーれっと)

ロンドン支局 記者

英シェフィールド大学で日本語を専攻。2010年に英国王立芸術大学(RCA)に進学し、日本のデザインと消費文化の研究に従事する。2012年から日経ビジネス・ロンドン支局記者

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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