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量的緩和縮小、FRBの背中を押した日本人エコノミスト

「景気回復が、高齢労働者の現役引退促した」説の衝撃度

2014年1月17日(金)

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 米国では現在、「悪い失業率の低下」が問題になっている。景気低迷が続くなかで仕事が見つからず、一時的に職探しをあきらめる人が労働市場から脱落し、その結果として統計上は求職者が減るため失業率が低下するからだ。

 だが最近、フィラデルフィア連邦準備銀行で働く日本人エコノミストが、そんな通説とはまったく違う分析結果を提示した。すなわち景気が回復して資産価格が上昇したため「高齢者が働く必要がなくなって定年退職を選び、労働参加率が低下して失業率が低下してきたのではないか」というのだ。この分析結果が米国の量的緩和縮小に影響を与えた部分もあり、米国で話題になっている。

 米連邦準備理事会(FRB)が1月8日、2013年12月17日~18日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公開していた。FOMCの12月の会合は、量的緩和第3弾(QE3)の証券購入額を1月から100億ドル減らし750億ドル(約7兆8500億円)とする量的緩和の縮小の具体的な内容が決まった重要なものだった。

 FOMCの議事録は労働参加率の減少をめぐる様々な議論を紹介するなかで、「ある委員会参加者は、人口的要因をはじめとする構造的要因、とりわけ高齢労働者の定年退職が増えたことによって最近の労働参加率を説明できるとする研究を引用した」と記録していた。この引用された「研究」こそ、米フィラデルフィア連銀のシニアエコノミスト、藤田茂氏が書いたこの論文である。

 例えば米ワシントンポスト紙では10日、“The biggest question facing the U.S. economy: Why are people dropping out of the workforce?(米国経済最大の疑問:なぜ人々は労働市場から脱落するのか?)”という見出しの記事を掲載。

 ニューヨークタイムズ紙も同日“Debating Why the Work Force Is Shrinking(侃々諤々、労働力が縮小する理由)”とする記事で、労働参加率低下の理由をめぐる議論の変遷を解説した。いずれの記事も、藤田氏による「高齢労働者の定年退職が増えたことによって最近の労働参加率を説明できる」とする分析結果を、最新の成果として紹介した。

資産価格が上昇し、働く必要がなくなった?

 FOMCの12月時点の統計において、新規雇用者数は10月は20万人、11月は24万人と好調な数字が続いており、FRBが量的緩和縮小を開始する判断材料の1つになったとされる。それに加え、FOMCの意思決定の議論の場において「悪い失業率の低下」の元凶とみなされてきた労働参加率の低下についても、「一時的に職探しをあきらめる人が増え労働参加率が低下するため、失業率が低下する」とする通説とは違った、藤田氏の解釈が取りあげられていた。

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「量的緩和縮小、FRBの背中を押した日本人エコノミスト」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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