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セクハラおじさんとセクハラ恐怖症の若者

過剰な自己愛がまわりを見えなくさせる

2014年1月24日(金)

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 ご相談

問い:何がセクハラになるのか、いまひとつ理解できません。遙さん流に教えてください。(20代男性)

 遙から

 私が学生の頃からずっとテレビで見続け、私が業界に入ってから共演もしてきた元男性アナウンサーと仕事でご一緒することになった。定年されてかなり経つ。久しぶりの逢瀬だ。

「さわれへんって」その男性は言った

 この業種は定年後も講演会などそれなりに市場はあるので、仕事はされているものの、やはりテレビ局という元職場はまた違った思い入れがあるらしく、ややテンションは高めだった。

 「毛が薄くなった」と男性はメイク室で何度も繰り返した。“毛”というのはその男性にはとても重要らしい。

 誰の目を気にしてか。少なくともメイク室の女性たちはその男性を“男”としては見ていない。毛があろうがなかろうがただの“出演者”にすぎない。

 共演者の私もまた“先輩”以外の位置づけはないので、毛がある先輩と、毛がない先輩と、なんら価値に変わりはない。

 では視聴者は、というと、過去よくテレビに出ていた人が定年後に毛があるか否かを注目しているとも思えない。それが著名2枚目俳優が老いて毛がなくなれば「ああ老いたなぁ」という感慨は見る側にあるだろうが、数いる男性アナウンサーの毛の有無にどんな感慨を誰が見出すだろう。

 誰にとっての“毛”か。毛は“俺”にとって重要なのではないのか。

 女性アナウンサーが60代になり「シワが」という嘆きとはまた違う、微妙な深刻さが「毛が薄くなった」の繰り返しに漂う。

 少なくとも「シワが。シワが」と繰り返す女性を見たことはない。女性の心情は、「老けたなぁ」としみじみ心で思うくらいだろうかと想像する。

 その男性と打合せの席。まず気づいたのは声の大きさとはしゃぎっぷりだ。

 元職場がテンションを上げるのは理解できる。だがまわりの男性局員たちと明らかに声のボリュームが異なることに本人が気づいていない。

 男性の隣が私の席だった。「隣は嫌です」とからかってみた。直後「うそ」と言って笑って隣に座った。

 男性は言った。「さわれへんって」。

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「セクハラおじさんとセクハラ恐怖症の若者」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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