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「電子たばこ」が「たばこ」を駆逐する?

ベンチャー、大手が入り乱れ、欧米で市場が急拡大

2014年2月10日(月)

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 昨年、ロンドンのとある人気のバーで飲んでいたところ、ある中年男性が白い煙を口から吐き出した。明らかに、たばこの煙に見える。だが、ロンドンでは2007年から、バーやレストランなどを含む屋内の公共の場での喫煙が禁止されており、たばこを吸うのなら屋外に出なければならい。にもかかわらず、その男性は店内で堂々と白い煙を吐き続けている。バーのオーナーか有名人だったとしても、許される行為ではない。一体、何が起きているのか。

 だが、その後、男が吐き出していた白い煙の正体が、たばこの煙ではなかったことを知る。ある日、女友達の家を訪れたときのこと。彼女は昔から、極端なたばこ嫌いなのだが、その彼女の部屋で、婚約者がたばこを吸っているではないか。その彼も、これまでは彼女に嫌われまいと、それまでは部屋では決してたばこを吸ったことがなかった。

 「ちょっとあなたたち、どうしちゃったのよ?」。驚いてそう声を上げると、彼は笑いながら種を明かした。

 「これは『たばこ』ではなくて、『電子たばこ』さ。吸っているのは煙ではなく、蒸気なんだよ。だから、どこでも吸える」

「電子たばこ」は、従来のたばこの喫煙が禁止されているバーの中でも吸うことができる

「スモーク」ではなく「ヴェープ」がブームに

 「電子たばこ」とは、従来のたばこを真似たバッテリー駆動の装置のこと。たばこの葉を燃やして出る煙ではなく、ニコチン溶液を電気で熱して発生させた蒸気を吸う。そのため、電子たばこを吸う行為は「スモーク(煙を吸う)」ではなく「ヴェープ(蒸気を吸う)」と呼ばれる。

 電子たばこには、ニコチン溶液に通常のたばこの味だけではなく、メンソールやコーヒー、チョコレートなど様々な香りが加味された種類があるほか、ニコチンを含まないものもある。

 この電子たばこ市場が今、欧米を中心に急成長をしている。調査会社のユーロモニターによると、現在の世界の市場規模は約35億ドル(約3500億円)。米国はその約半分を占め、欧州連合(EU)が約10億ドル(約1000億円)。英国はEU加盟国で最大の約3億ドル(約300億円)だという。

 ただし、「市場がどのような状況になっているのか、本当のところはよくわからない」(あるたばこ業界関係者)というのが実情で、世界の市場規模は2017年までに約100億ドル(約1兆円)に達するという予測から、2047年までに既存のたばこ市場を上回るという予測まで様々だ。ただし、急激に伸びていることだけは、業界の共通認識になっている。

英ブリティッシュ・アメリカン・タバコが買収したCNクリエイティブが開発した電子たばこ「vype」

 今のところ販売されている電子たばこは、中小の新興ブランドの製品がほとんどで、大半が中国製だ。だが、ここにきて大手たばこ会社も参入に向けて動き出した。2012年12月、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は、電子たばこなどニコチン関連製品の研究・開発を手がけていた英CNクリエイティブを買収。今年1月には、米国以外の地域で「マールボロ」などを展開する米フィリップ・モリス・インターナショナルが、イタリアに5億ユーロ(約900億円)を投じて“リスク低減型商品”の工場を建設すると発表した。

コメント4件コメント/レビュー

私は、30年前までヘビースモーカーで1日40~100本吸っていた。あるきっかけで禁煙したが、全くなんの不自由もない。「気持ちが癒される」「精神的に落ち着く」等々喫煙時に主張していたが、止めてしまえばそれらが全て言い訳でしかなかったと断言できる。と言うことで、この“電子タバコ”なるものをしてまで“喫煙”をせねばならないのかと首をかしげる。そして、合成されたニコチンのカプセルを使うらしいが、ニコチンの代わりに麻薬や今はやりの合法ハーブのような物を入れられる心配は無いのだろうか。今後“電子タバコ”が普及するのなら、出来るだけ初期の段階で厳しい規制をしておく必要があるのではと考える。(2014/02/10)

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「「電子たばこ」が「たばこ」を駆逐する?」の著者

スカーレット

スカーレット(ろーら・すかーれっと)

ロンドン支局 記者

英シェフィールド大学で日本語を専攻。2010年に英国王立芸術大学(RCA)に進学し、日本のデザインと消費文化の研究に従事する。2012年から日経ビジネス・ロンドン支局記者

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

私は、30年前までヘビースモーカーで1日40~100本吸っていた。あるきっかけで禁煙したが、全くなんの不自由もない。「気持ちが癒される」「精神的に落ち着く」等々喫煙時に主張していたが、止めてしまえばそれらが全て言い訳でしかなかったと断言できる。と言うことで、この“電子タバコ”なるものをしてまで“喫煙”をせねばならないのかと首をかしげる。そして、合成されたニコチンのカプセルを使うらしいが、ニコチンの代わりに麻薬や今はやりの合法ハーブのような物を入れられる心配は無いのだろうか。今後“電子タバコ”が普及するのなら、出来るだけ初期の段階で厳しい規制をしておく必要があるのではと考える。(2014/02/10)

初めて知りました。かつて、勤務地が敷地内全面禁煙にされた際、腕に貼るニコチンパッチを購入し、「おぉ、吸わなくても全然平気。」と禁煙に至りました。禁煙パッチは比較的高価なので、購入価格がタバコ利用料より低くなるよう、小さく切って少しずつ使用し、量も徐々にすくなくなるよう試みていました。しかしながら、ニコチンパッチを使用し始めて間もなく、「対面販売でのみ」の医薬品分類に変更され、継続的な使用が制限されました。仕方なく、日中イライラしながら仕事をし、職場を後にした後の一服が楽しみな一日なりました。喫煙しない方、禁煙に成功された方は、冷たく「やめれば良いのに。」と、本記事にあった「禁煙か、死ぬか」(nosmoke or dieでしょうか?)と喫煙者に接します。それはそれで構いません。ですが、この電子タバコのように、中間があれば、利用したいです。煙も、ゴミも低量化できそうです。ニコチンを含むものでも、記事にあるようにタールの害はありませんし、公共にも良いはずです。(2014/02/10)

既存の煙草と比べて有害成分が少ないということですが、口から「煙」を吐き出す以上、周囲に迷惑をかけるのは変わらないのではないでしょうか。現行の規制の対象外というのはわかりますが、記事中での書き方だと脱法ドラッグを違法ではないと言い張るのと同種の屁理屈のように思えます。また、臭いや汚れの付着といった、健康への影響以外の、煙草が嫌われる要因についても触れていればだいぶ印象が違うかもしれません。社会的に嫌煙が進んだのは、確かに建前として健康への影響への配慮が大きいですが、実際のところ臭い、衣服や家具が汚れるといった即効性のある迷惑要因が大きいですよ。そこが変わらないのであれば結局電子たばこもアウトです。(2014/02/10)

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