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今さら日本に電池拠点の勝算

「体力勝負」に打って出た独BASF

2014年2月12日(水)

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 「精神的な繋がりも大切だが、物理的な距離はもっと大切」という日本的な慣行が、世界ナンバーワン化学メーカーを動かした。

 独BASFは2月5日、充放電を繰り返す2次電池に特化した「尼崎研究開発センター バッテリー材料研究所」を、兵庫県尼崎市の尼崎リサーチ・インキュベーションセンター(ARIC)内に新設した。2次電池向けの正極材や電解液などの研究開発を行う。

 BASFの2012年の売上高は721億2900万ユーロ、11万人超の従業員を抱える。売上高だけを比べても、日本最大手の三菱ケミカルホールディングスの約2倍という巨大企業だ。

 そのBASFがなぜ、尼崎に研究所を開設したのか。そこには、日本特有のビジネス習慣と世界トップ企業ならではの戦略がある。

独BASFが新設した尼崎研究開発センター バッテリー材料研究所

 BASFが尼崎に研究所を開設した目的は、顧客の近くに開発拠点を持つことにほかならない。電池材料の評価期間は数年と長い。納入先となる電池メーカーの開発者と日常的なコミュニケーションを図りながら、材料の改良を重ね、最終的な採用を勝ち取ろうというわけだ。

 これまでBASFは日本に電池材料の開発者を置いておらず、営業担当者がいるだけだった。電池メーカーの開発者と技術についての議論をする際には、ドイツから研究者が来日することで対応していた。研究者同士の議論とはいえ、言葉の壁は大きかった。だがそれ以上に、「物理的な距離」が日本企業との取引を阻んできた。

 BASFジャパンのヨルグ・クリスチャン・シュテック社長は、「ドイツ企業は開発への考え方など、精神的な繋がりを重要視する。一方の日本企業はそれ以上に、物理的な近さを重視する。日本企業との取引を拡大するには、近くに拠点を置くことがプラスに働く」とする。

 BASFは研究所の目的を「テーラーメードのソリューションを提供する」としている。これを言い換えると、「電池メーカーで困り事が発生したときには、すぐさま御用聞きに出向いて解決方法を提案する」となる。日本流の商習慣を受け入れることで事業の拡大を目指す。

 素材メーカーが照準を定めた取引先の近傍に、研究施設を設けるケースは珍しくない。ではなぜ尼崎なのか。

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「今さら日本に電池拠点の勝算」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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