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北方領土問題は秋に動くか?

対中国で、ロシアを過信してはいけない

2014年2月14日(金)

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 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が2月8日、ロシア・ソチで首脳会談を行った。プーチン大統領は、安倍首相を厚遇。ソチ五輪開会式の翌日、昼食を含めて2時間超、安倍首相と話し合った。

 安倍首相は、プーチン大統領との個人的な信頼関係をてこに北方領土交渉を加速させる意図とされる 。北方領土返還交渉はこの会談を機に前に進むのか。ロシア地域研究で注目を集める、兵頭慎治・防衛省防衛研究所米欧ロシア研究室長に聞いた。

(聞き手 日経ビジネス 森 永輔)

兵頭さんは今回の日ロ首脳会談をどのように評価していますか。

兵頭:今回の会談の主眼は、安倍首相とプーチン大統領の個人的信頼感を高めることです。そのために安倍首相はソチ五輪の開会式に出席しました。この意味において、会談はうまくいったと言えるでしょう。

兵頭 慎治(ひょうどう・しんじ)
防衛省防衛研究所 地域研究部米欧ロシア研究室長
専門はロシア地域研究(政治、外交、安全保障)、国際関係論、国際安全保障論。
1994年 上智大学大学院国際関係論専攻博士前期課程修了
1994年 防衛庁防衛研究所第2研究部助手
1996~1998年 外務省在ロシア日本大使館政務担当専門調査員
2011年~現在 日本国際問題研究所研究プロジェクト委員
近著に『ユーラシア国際秩序の再編』(共著、ミネルヴァ書房、2013年12月)など。(撮影:菊池くらげ 以下すべて)

 安倍首相は、G8首脳の中で唯一、ソチ五輪の開会式に臨みました。プーチン大統領はこれを高く評価したと思います。同大統領はソチ五輪を開催することで国際社会におけるロシアの存在感を高めたいと思っていた。それなのに、G8首脳は人権問題や治安を理由に出席しなかったわけですから。安倍首相の出席はプーチン大統領にとって助け船になった。

 6月にソチで開かれる予定のG8首脳会議では、プーチン大統領がホストを務めることになっています。参加予定者のすべてがソチ五輪に出席しなかったとしたら、G8首脳会議もやりづらいものになったでしょう。

 安倍首相が開会式への出席を表明した後、中国の習近平国家主席も出席を表明しました。中国の国家主席が海外で開かれる五輪の開会式に出席するのは初めてのことです。安倍首相の意向が習国家主席の背中を押したのかどうか定かではありませんが、そのように見ることもできます。プーチン大統領がもしそう見ていたとしたら、これも有り難いことだったでしょう。

 一方、プーチン大統領の対応も、安倍首相の信頼感を高めるものだったでしょう。40人近い首脳が参加する中、開会式の翌日に首脳会談をしているのですから。昼食会もロシア側が提案したという情報があります。もしそうだとしたら、これは安倍首相にソチ五輪の開会式に出席してほしいというロシアからのメッセージだったと言えるでしょう。通常の首脳会談ならともかく、五輪の場であることを考えたら厚遇といってよいと思います。秋田県が2012年にプーチン大統領に贈った秋田犬を安倍首相に引き合わせてもいます 。

 今秋にプーチン大統領が訪日する予定です。これが日ロ関係における当面の山場です。そこに向けた環境作りとして、今回の会談がありました。そして6月のG8首脳会議の時と、秋のAPEC首脳会議の時に予定されている日ロ首脳会談があります。こうした一連の首脳会談の中で安倍首相とプーチン大統領は個人的信頼感を高めていく意向だと思います。

コメント6件コメント/レビュー

日露交渉をする時他国の動向をちら見してコメントするほど無意味な物は無い。日本が何に基づいてこの交渉を進めて行く事が交渉の落ち着き場所が決まる。何しろロシア若しくはソ連は千島樺太の外全て戦争の結果帰属がソ連となった事を正々堂々主張しているのである。歴史観、歴史認識を先ず両国は確認する事が今後の両国の為になると考える。国民はアジアにもいる欧米とは多少違った民族である。問題はこれまでの統治者若しくは政権にあったトップの考え方が前時代的で有った為戦後、両国の協力関係が築かれなかったのではないか。何故、ロシアと日本が正常な関係が結べなかったのかを先ず日本は主張をする事が第一歩である。満洲より日本が投資した重工業の設備を始め、人的財産を抑留した上で強制労働させた事を認識させる事が必要不可欠である。この様な終戦後の行為はロシアとしてどう考えているかを先ず問いかけた後、今後の両国の発展について信頼を置いた協力関係を築ける事を伝えるべきである。うわべの交渉をするのは欧米人にとって軽く見られるだけである。必要なら米国と秘密時に戦略を話し合うべきである。単なる2国間の事情で発生した問題ではない事は米国も承知である。 米露のギクシャクした関係を利用する所は利用し将来の問題にも積極的に対応すべきと考える。この様な準備をした上で交渉をしないと表面的に4島を半分などと流れるであろう。ロシア国民にこの問題が今まで解決できてない理由を何故この様な状態になったから外務省を中心に、NHK等あらゆる機会を使い伝えなければならない。日本はPublicityが弱すぎるのでロシア語、英語、ドイツ語、中国語を使いジャーナリズムは大いに其の力を発揮していただきたい。  如何でしょうか?(2014/02/14)

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「北方領土問題は秋に動くか?」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

日露交渉をする時他国の動向をちら見してコメントするほど無意味な物は無い。日本が何に基づいてこの交渉を進めて行く事が交渉の落ち着き場所が決まる。何しろロシア若しくはソ連は千島樺太の外全て戦争の結果帰属がソ連となった事を正々堂々主張しているのである。歴史観、歴史認識を先ず両国は確認する事が今後の両国の為になると考える。国民はアジアにもいる欧米とは多少違った民族である。問題はこれまでの統治者若しくは政権にあったトップの考え方が前時代的で有った為戦後、両国の協力関係が築かれなかったのではないか。何故、ロシアと日本が正常な関係が結べなかったのかを先ず日本は主張をする事が第一歩である。満洲より日本が投資した重工業の設備を始め、人的財産を抑留した上で強制労働させた事を認識させる事が必要不可欠である。この様な終戦後の行為はロシアとしてどう考えているかを先ず問いかけた後、今後の両国の発展について信頼を置いた協力関係を築ける事を伝えるべきである。うわべの交渉をするのは欧米人にとって軽く見られるだけである。必要なら米国と秘密時に戦略を話し合うべきである。単なる2国間の事情で発生した問題ではない事は米国も承知である。 米露のギクシャクした関係を利用する所は利用し将来の問題にも積極的に対応すべきと考える。この様な準備をした上で交渉をしないと表面的に4島を半分などと流れるであろう。ロシア国民にこの問題が今まで解決できてない理由を何故この様な状態になったから外務省を中心に、NHK等あらゆる機会を使い伝えなければならない。日本はPublicityが弱すぎるのでロシア語、英語、ドイツ語、中国語を使いジャーナリズムは大いに其の力を発揮していただきたい。  如何でしょうか?(2014/02/14)

世界一広大な領土を持つ国とは言え、国土の多くはツンドラの極寒地だ。更に、人口は日本よりわずかに多い程度の1億4千万人。一方、伸び盛りの中国は人口が公式発表でも13億を超えている。曾て世界を東西に分けた東の盟主(ソ連時代)であったが、今のロシアで中国を上回るのは国土の広さと軍事技術の高さ位なもので、他は全て追い越されている。中国はソ連時代の一方の盟主の後継者として米中で覇権を分け合う事を、この時代になって本気で考えている。兄貴分のロシアとしては面白くない事は分かるが、最近の中国が「兄貴」に敬意を払っている様子は無い。かと言って、日本が極東ロシアの開発への投資と石油天然ガスの長期大量購入を約束した位で4島が日本に戻される事はあり得ない。特に国後島は政府の金でインフラを整備し、入植者には援助して、町を大きくしている。極東ロシア全体で人口が減少しているにも関わらず、日本が欲しがっている島の開発を推進して値段を吊り上げていると見るべきだ。記事で引用されたプーチンの言う「引き分け」とは3島の事ではなく、2島の事と判断すべきだ。ロシアは4島まとめて第二次大戦の戦後処理の中で「勝ち取った領土」と考えているのだから、2島にしても「返還」と言うより「経済協力の見返り」として考えても良い、という事だろう。4島をまとめて貰い受けたければ、日本の年間予算規模の経済協力でもしない限りあり得ない。国を傾ける程の出費をしてまで返還を実現しても、日本に見合ったメリットがあるとは言い難い。それよりはお互いの特徴を活かし合える相互関係を構築する為にも、早い時期に日露平和条約の締結にこぎ着ける方が色々な意味で大きな効果が期待できる。「お互いに必要な国」の関係を築き、他方ではTPPを締結する。この事が日本の将来の安全保障と経済発展の為に重要なファクターだろう。中国との仲直りも米国に頼むよりはロシアに頼んだ方が実現し易いのではないか。無条件では頼れない国ではあるが、お互いに必要とする様な付合い方をするべきだ。(2014/02/14)

ロシアは尖閣侵攻してきた中国に対して、尖閣に海保や自衛隊すら配備できない日本の弱体ぶりを見抜いている。こんな現状で北方領土問題の進展を期待する日本人は平和ボケの極致であろう。干からびた小島はほっといて、宗谷海峡に海底石油ガスパイプラインや海底送電線を建設して一円一銭でも安いエネルギー電気を輸入することのほうが重要だ。内戦後初の中台閣僚会談が開催され中台統一の日も近い。そうなると日本へのシナ海シーレーンが遮断されるのも時間の問題だ。中東原油の代替として日露協商を前進させよ。米国産シェールガスだけが頼みの綱ではいけない。(2014/02/14)

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三品 和広 神戸大学教授