• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

決定打を持たないEUの対ロ交渉

  • 渡邊 啓貴

バックナンバー

2014年3月20日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 クリミア自治共和国は3月16日に住民投票を実施し、95%以上の支持率でロシアへの編入を決定。同自治共和国議会は独立を決議した。

 これを受けて、EUは外相理事会を17日に開催、ウクライナとロシアの要人21人に対して渡航禁止と資産凍結の措置をとった。これはEUが3月6日のEU緊急首脳会議で決定した3段階のうちの第2段階に当たる(同日決定した第1段階は、査証の発給と投資条件の緩和に関する交渉の中断、6月に予定されるソチG8の準備会合の中止、EUとロシアの包括協定締結のための交渉の中断)。EUは今後、21日に開かれるロシア議会――クリミアのロシアへの編入を決定することが予想される――の様子を見て、第3段階の経済制裁に踏み切る意図を明らかにしている。

 今回のクリミア独立の背景には、プーチン大統領によるウクライナへの武力的な圧力があった。ヤヌコヴィッチ大統領が昨年11月に連合協定(EUへの加盟を準備するもの)の締結を拒否して以来、親ロシア派と親欧派の対立がエスカレート。2月24日にヤヌコヴィッチ政権は崩壊し、暫定政権が成立した。その一方でクリミアでは、ロシアが3月1日に軍事介入を開始。クリミア独立へと急転直下で展開した。

 親欧派と親ロシア派が激しい衝突を繰り返す中、EUは2月下旬、ウクライナ暫定政権と会談。親欧派ヤツェニック首相による連立新政権の誕生に大きく貢献した。しかし3月1日、プーチン大統領がウクライナ国内での軍事力行使を上院に承認させ、クリミア自治共和国に軍事介入した後、EUはなすすべもなかったというのが実際であった。クリミアでの住民投票について、米EUは非合法なものと非難したものの、今後の展開について決定的な布石を打つことができないでいる。

融和的なEUの対応

 EUの基本的態度はウクライナ新政権を認め、クリミアの独立を認めず、ロシアの態度を拒否するものだ。だが、NATOは対話・交渉による姿勢を重視しており、監視団などの派遣をラスムッセン事務総長がロシアに提案しただけだ。現段階で武力的な対応をする意思はなく、軍事介入する準備を整えてはいない(NATOは1997年、ウクライナと防衛協力のためのパートナシップ協定を締結している)。ウクライナおよびクリミア問題の解決について、経済制裁とソチでのG8の不成立を当面の交渉の最終手段としている。

 いっぽうアメリカは3月7日、ロシアの軍事介入を受けて、以下の制裁を決定し大統領令を発した――ウクライナの主権と領土保全を脅かす人物・団体に対して米国内の資産を凍結、入国を制限。EUは第2段階の制裁措置――資産凍結、ロシア高官の渡航制限を決定――をとることで、ようやくアメリカと歩調を同じくする段階に至ったように見える。

 しかし実際には、アメリカの対応との間に温度差がある。今回EUが制裁の対象とする人物のリストに、プーチン大統領周辺の重要人物や、ガスプロムやロスネフトの経営陣といった経済界上層部の人名はない。EUは当初120~130人のリストを作成したと伝えられるが、ロシアの政治・経済中枢への制裁には依然として慎重な姿勢が見られる。これに対してアメリカは、ロシア副首相、ロシア連邦評議会議長、プーチン大統領に近い3人の議員と2人の顧問などを制裁リストに載せている。

コメント0

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

現在の携帯電話は、昔の電話と比べて100倍豊かでしょう。クルマもきっとそうなります。

ジェンスン・フアン エヌビディア創設者兼CEO(最高経営責任者)