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「物価上昇2%」は5年かかる

異次元緩和1年(上):岩田一政・日本経済研究センター理事長に聞く

2014年3月26日(水)

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日銀が黒田東彦総裁の体制で量的・質的金融緩和に乗り出してから間もなく1年。「異次元緩和」とも称される大胆な政策の功罪を日米の第一人者に聞く。日銀副総裁を務めた岩田一政・日本経済研究センター理事長は、日銀が目標とする「2年で2%の物価上昇」は困難だと主張する。(聞き手は馬場燃)

日銀の異次元緩和から1年を迎えます。資金供給量を増やしましたが、実際にどれほどお金が世の中に行き渡るようになったのですか。

岩田 一政(いわた・かずまさ)氏
日本経済研究センター理事長。1970年東京大学卒業、経済企画庁(現内閣府)へ。1991年東京大学教授。内閣府政策統括官を経て2003年から2008年まで日銀副総裁。経済財政諮問会議の民間議員などを歴任し2010年から現職。(写真:北山宏一、以下同)

岩田:大きな変化は「量的・質的金融緩和」に加え、安倍晋三首相が2%の物価目標を述べてから、資産価格が変動したことだ。特に為替レートと株価に変化をもたらした。量的・質的金融緩和は資産価格に影響を与えたと思うが、2%の物価目標を掲げたことで外国人投資家の間に「金融政策は先行きどれくらい拡大的になるのだろうか」と期待を生んだ。それが株価と為替レートを動かす結果となった。

 異次元緩和による「ポートフォリオリバランス効果」(長期国債などの資産買い入れにより民間金融機関のバランスシートの構成に影響を与え、国債からリスク性資産への投資を促す狙い)はもちろんあったが、その効能は外国人投資家を通じて、主に機能としたと見ている。国内の投資家と金融機関について言えば、どちらも外国人投資家よりも控えめだった。効果が全くないわけではなく、金融機関で言えば、貸し出しが緩やかだが回復傾向を持続しているものの、特段ジャンプしたわけではない。

 全体として貸し出しの中身を見ると、やはり不動産と住宅関係が中心に伸びているということなので、異次元の金融緩和は基本的に資産価格に影響を与えるものだった。個人消費も今のところ強いが、金融緩和による影響なのか、もしくは消費増税の駆け込みで強いのか区別が非常に難しい。

コメント3件コメント/レビュー

そもそも2%のインフレになることで、誰が得をするのでしょうか?また話者は円安を支持しているようですが、実際去年より20円程度の円安に傾いているのにインフレにはなっていません。結局は大手小売業や大手製造業が納入業者を買い叩いていることが悪循環になっているのだと思います。マスコミにはその点を取り上げてほしいのですが、そのような大手企業がスポンサーであるがために、書きたくても書けないのが現状ではないでしょうか?(2014/03/26)

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「「物価上昇2%」は5年かかる」の著者

馬場 燃

馬場 燃(ばば・もゆる)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社の経済部などを経て、2012年4月から日経ビジネス記者。電機・IT業界を担当している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

そもそも2%のインフレになることで、誰が得をするのでしょうか?また話者は円安を支持しているようですが、実際去年より20円程度の円安に傾いているのにインフレにはなっていません。結局は大手小売業や大手製造業が納入業者を買い叩いていることが悪循環になっているのだと思います。マスコミにはその点を取り上げてほしいのですが、そのような大手企業がスポンサーであるがために、書きたくても書けないのが現状ではないでしょうか?(2014/03/26)

タイトルで損をしているので、タイトルを重要視した方がいいと思う。タイトルを見た時の私の感想は、「為替の変動で物価は既に上昇しているのに、物価は維持されていると錯覚される記事を書いている。」というものだった。誤解を与えるタイトルだと思う。本文の内容を納得できるものです。論理的で話の筋も良い。(2014/03/26)

民主党政権下の時代なら兎も角、安倍政権下(自民では無く、又その是非は別にして)においては、語られているテーマ及びその周辺は織り込み済みの上での現在かと感じるが故、当事者中核の言を飛ばした論は立ち呑み談義に過ぎません。旧来からのマスメディア/ジャーナルの延長線下にあるメディアであればこそ、踏まえた上での論を望んで止みません。(2014/03/26)

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