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経済制裁に踏み込めないEUの事情

  • 渡邊 啓貴

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2014年3月27日(木)

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 ロシア議会上院が3月21日、クリミアのロシアへの編入を承認した。クリミアは正式にロシアの一部となった。クリミアが16日に住民投票を実施し、圧倒的多数でロシアへの編入が可決してから、わずか5日後のことであった。

 EUはその間、なす術もなかった。住民投票の直後にEUは、第2段階の制裁措置として、クリミア併合に関与したロシアとウクライナの重要人物に対する渡航禁止と、資産を凍結する対象者のリストを発表した。20~21日に開催したEU首脳会議では、第2段階の制裁の対象者に政権に近い人物――ロゴジン・ロシア副首相(軍需産業界代表)や在クリミア軍司令官など――を約10人加えた。第3段階の措置として経済制裁を議論したが、加盟国が一致することはなかった。

 他方で、ウクライナとの欧州連合協定(政治分野)に調印した。ウクライナの政変につながる反政府運動が昨年11月に急速に高まったのは、ヤヌコビッチ氏率いる前政権がこの協定の調印を拒絶したことが理由だった。

くすぶるロシアによる周辺諸国への軍事介入への懸念

 制裁を強化する一方で、オバマ米大統領は軍事介入の可能性がないことを既に明らかにしている。ヨーロッパ首脳もこの点で一致している。背景には、以下の楽観的な見方があるからだ――ロシア系ナショナリストの動きが懸念されるウクライナ東部の併合を、プーチン大統領が当面は視野に入れていない。

 しかし、ロシア軍がクリミアでウクライナ軍の武装解除を進めていることや、ウクライナ東部などでロシア系住民のナショナリズムが高揚していることは、事態が依然として予断を許さないことを示している。首脳たちの判断とは別に、今後の展開を警戒する動きが進行している。EU・ウクライナ連合協定では、安全保障・防衛協力での政治的原則で合意、この分野での協力の緊急性を確認している。

 全欧安保協力機構(OSCE)は21日、国際監視団をウクライナに派遣することを、ロシア側の承認を得て決定した。文民部隊を中心にした100人を監視団として派遣する。ただし、ロシアの一部となったクリミアには派遣しない。

 他方で、NATO(北大西洋条約機構)もラスムセン事務局長が武力行使の可能性はないとしているが、AWACS(早期警戒管制機)などを飛行させ、緊急事態に備えている。ロシアに対する武器禁輸の決議を望む声もある。

 ロシアからの脅威を強く感じているバルト諸国の一つエストニアは、北大西洋条約第5条の集団的自衛権行使について明確な態度を示すべきであると主張している。つまり米英仏などは、防衛体制をシンボリックなものにとどめることなく、ロシアとの国境の保全に危機感を持つ諸国に対して実効的な体制を提供すべきであるというわけだ。

 ポーランド国防相は「今、ポーランド、バルト諸国に軍事的脅威はない。しかしNATOと同盟諸国は、紙の上での行動にとどまってはならない。今、まさに真実の時が来ている」と米・西欧諸国の誠実な対応を促している。

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