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成長幻想の源は、間違った経済目標

「1人当たり実質GDP成長率」こそが正しい経済成長の目標

2014年4月7日(月)

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 政府は今年4月1日、消費税率を5%から8%に引き上げた。97年4月1日から17年振りの消費増税である。今年12月には次の増税(消費税率8%→10%)の判断もあることから、景気の動向に強い関心が向かっている。そこで質問だ。「0.82%」と「0.96%」という数字を聞き、ピンと来る読者はいるだろうか。

 前者(0.82%)は2003~2012年における日本の1人当たり実質GDP成長率の平均値(年率)であり、後者(0.96%)は同じ期間でのアメリカの成長率の平均値(年率)である。また、2003~2012年における1人当たり実質GDP成長率の平均値(年率)は、フランスが0.45%、ドイツが1.31%、イタリアが▲0.67%、イギリスが0.64%、オーストラリアが1.4%だ。以下の図表1(先進主要7か国)の中で日本は中位(4番目)の成長率である。

 なお、日本経済はこの期間に、東日本大震災(2011年3月11日)という特異な影響を受けた。2011年を除いた1人当たり実質GDP成長率の平均値(年率)は日本もアメリカも0.94%である。

図表1:1人当たり実質GDP成長率(先進主要7カ国)
(出所)OECD. Statから作成

 つまり、欧米と比較しても、日本は中程度の成長をしている。だが、一般の感覚は異なる。この理由は、実質GDPの成長率が年々、低下しているからだろう。同成長率は、1980年代は平均で4.7%だった。これが90年代には平均で1.1%まで低下し、その後は0.7%程度と低迷している。このような状況の中、現在の政府・与党は、2013~2022年度の平均実質GDP成長率2.1%を「標準ケース」に設定し、その実現を目指している(以下の図表2の赤線)。

図表2:政府・与党が目指す実質GDP成長率の経路
(出所)内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(2014年1月20日)

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「成長幻想の源は、間違った経済目標」の著者

小黒 一正

小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

法政大学経済学部教授

1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。専門は公共経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士