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防衛装備移転三原則は絶妙のバランス

旧三原則の基本を継承しつつ海外との関係を強化する

2014年4月4日(金)

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 安倍政権が4月1日、「防衛装備移転三原則」を閣議決定した。これまでの「武器輸出三原則等」を包括的に整理。海外移転を認める条件を明確にするともに、厳正審査・適正管理を課す。

 平和貢献や国際協力、外国との安全保障協力、日本の防衛産業の維持・強化を図る。新三原則をどう評価するべきか、軍備管理に詳しい佐藤丙午・拓殖大学教授に聞いた。

(聞き手は森 永輔)

安倍政権が4月1日に「防衛装備移転三原則」を閣議決定しました。これを、どう評価しますか。

佐藤:さまざまな面でバランスを取った、適切な原則だと思います。従来の「武器輸出三原則等」を大幅に変えることなく、国際社会における日本への信頼感を高めることができる。無原則な移転が起こらないよう配慮もしています。

佐藤 丙午(さとう・へいご)
拓殖大学国際学部教授。専門は安全保障論(軍備管理・軍縮)、国際関係論、米国政治。ジョージ・ワシントン大学大学院、一橋大学博士課程修了。元防衛庁防衛研究所主任研究官。論文に「通常兵器の軍備管理・軍縮」(『海外事情』)、「安全保障と公共性―その変化と進展―」(『国際安全保障』)、「防衛産業のグローバル化と安全保障」(『国際政治』)など。
(撮影:菊池くらげ、以下同)

 例えば、旧三原則等で武器輸出を禁止してきた国への移転は、新三原則も禁止しています。これまで例外措置として移転を認めてきた案件は、「移転を認め得る場合」として正式に認めました。具体的に言うと、旧三原則等は、共産圏諸国、国連決議で武器輸出が禁止されている国、国際紛争の当事国への輸出を認めていません。新三原則は、共産圏諸国を除く2つを「移転を禁止する場合」として継承しています。ミサイル防衛分野における米国との協力など旧三原則等が例外として認めてきた21件の措置は、「移転を認め得る場合」として継承しました。

 移転を認め得る場合を明確にすることで、日本は防衛装備の移転において、ある意味で“開国”したと言えるでしょう。これまで日本は“鎖国”の国、すなわち「武器の禁輸国」とみなされてきました。武器禁輸国が平和国家であるというのは、一面的な評価だと思います。国際社会において安全保障上の関与が低い国は、積極的に平和に貢献していないと見なされます。しかし、これからは安全保障政策上の考慮に基づき、防衛装備面で国際社会との交流を深めることが可能になります。例えば、日本企業が作った部品を使用している装備品を使用している国は、部品を安定的に入手できる環境を維持するため、日本との関係を安定的なものにしたいと思うでしょう。

 今回、防衛装備の海外移転について可否を判断する部局を明確にしました。内閣官房国家安全保障局、外務省総合外交政策局安全保障政策課、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易管理課、そして防衛省経理装備局装備政策課です。これによって案件を進めやすくなる効果が期待できます。これまでは、案件を持つ外国や企業は、武器移転の例外化措置の許可を得る上で、どこに話をすればいいのか分かりませんでした。

 移転が無原則なものにならないようにするための配慮として、厳格な審査をするとうたっています。また、第三原則として、第三者への移転や目的外使用が行われないよう、日本の事前同意が必要なことも盛り込みました。これは重要なことです。世界のどの国も武器を輸出する際の原則として、同様の措置を講じています。

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「防衛装備移転三原則は絶妙のバランス」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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