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「江戸っ子1号」、7800mの超深海に挑戦

町工場奮闘「大阪が宇宙ならば、東京は深海だ!」

2014年4月14日(月)

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 2013年11月、無人深海探査機「江戸っ子1号」が日本海溝の水深7800mの超深海で深海生物の3D映像撮影に成功した。江戸っ子1号の開発に携わったのは、東京下町の町工場、芝浦工業大学、東京海洋大学、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、新江ノ島水族館、ソニーの有志、そして、東京東信用金庫だ。目的は、町工場の“下請け体質からの脱却”、そして“新たな分野への事業展開”だった。

 2013年11月21日、一隻の船が神奈川県の横須賀新港を後にした。船の名は「かいよう」。海洋研究開発機構(JAMSTEC)の海洋調査船だ。目指すは、房総半島沖の日本海溝である。船には3機の「江戸っ子1号」が積まれている。そのうちの1機を日本海溝の水深約4000mの海域に、残りの2機を水深約7800mの海域に投入する計画だ。

 江戸っ子1号とは、水深8000mという“超深海”まで潜水できる小型の無人深海探査機で、海底で泥や生物を採取したり、3Dビデオカメラで3D映像を撮影したりできる機能を持つ。

 見た目はシンプルで、長さ165cm、幅40cmの金属の枠の本体に、オレンジ色のプラスチック製カバーで覆ったガラス球が、縦に3つ並べられた構造をしている。ガラス球の直径は33cm。3つのガラス球の中には、上から順番に、トランスポンダと呼ばれる装置、LED照明とバッテリー、そして、3Dビデオカメラとバッテリーが収納されている。

無人深海探査機「江戸っ子1号」とプロジェクトメンバーたち(c)江戸っ子1号/(c)JAMSTEC

 深海探査方法もシンプルだ。まず、船で江戸っ子1号を探査したい海域まで運び、そこからおもりを使って海底に沈める。次に、自動で泥や生物を採取し、プログラムに従って海底を撮影する。作業が終了したら、今度は船からおもりを切り離すための音波信号をトランスポンダに送信する。それにより、本体からおもりが切り離され、江戸っ子1号は海面に浮上してくる。本体には、浮上した位置を船に知らせるGPSが搭載されているので、船はそのGPSの情報を頼りに、江戸っ子1号の位置を割り出し回収する。

シンカイクサウオの群れを高精細3D映像で

 さて、横須賀新港を出発したかいようは、3日後の11月24日、深海に投入した3機の江戸っ子1号をすべて無事に回収し、横須賀新港に戻ってきた。

 水深約7800mの海底に沈められた3Dビデオカメラには、江戸っ子1号にくくりつけたエサのにおいに誘われて続々と集まってくるヨコエビの仲間と、さらにそのヨコエビを狙ってやってくるシンカイクサウオの群れの様子が、高精細な3D映像でしっかりと収められていた。

 その映像を見た瞬間、「江戸っ子1号プロジェクト」のメンバーは、全員が思わず手を叩き、歓喜の声を上げ、プロジェクトの成功を祝った。

高精細な3D映像で捉えられたヨコエビを狙ってやってくるシンカイクサウオの群れ

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「「江戸っ子1号」、7800mの超深海に挑戦」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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