• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

キャラ弁から大根おろしアートへの道

デコレーション料理の現代史

2014年4月15日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米国のニュースサイト「ハフィントンポスト」の日本語版が今年の4月4日、ある記事を掲載しました。「日本人ブロガーの『猫ケーキ』が世界で絶賛」という翻訳記事です(英文記事の見出しはCalling All Cat Lovers, This Is Your Cake)。

 記事が紹介したのは、日本人のブロガーが創作したという独創的なデザートたち。例えばケーキやドーナツの周りで、白あんや求肥(ぎゅうひ)で作った小さな猫たちがくつろいでいる、といった具合です。

 思い起こせば日本ではキャラ弁(詳細後述)の登場以降、料理文化の中で「現代的な装飾技法」が一気に花開いたように思えます。実際、最近10年の間に、キャラ弁、デコ弁、キャラ飯など、関連する新語も次々に登場しました。

 そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は「キャラ弁から大根おろしアートへの道」と題して、装飾的な料理の現代史について観察してみることにしましょう。なお本稿では便宜的に、キャラ弁などの装飾的な料理を「デコレーション料理」と呼ぶことにします。

前史~タコさんウインナーの誕生~

 世界各地の食文化には「食材を加工することで意匠を凝らす」文化が広く存在します。

 タイの「フルーツカービング」もその1つ。例えばスイカの皮の部分に彫刻を施し、まるで薔薇の花びらのような柄をつくる技法です。皮に切り込みを入れた部分から「スイカの実の赤い色」が浮きだして、それが「赤い薔薇」のように見えるわけです。

 いっぽう日本では「飾り切り」という文化が発達しました。例えばニンジンを加工して梅の形をつくったり、蒲鉾を加工して蝶々を作ったりする手法です。

 さて筆者は、現代日本で誕生した最も有名な切り飾りは「タコさんウインナー」ではないかと考えています。みなさんも人生の中で1回ぐらいは、弁当の中に鎮座するウインナー製のタコを見たことがあると思います。ウインナーの片端に切り込みを入れてタコの足のように仕立て上げる、あれです。

 タコさんウインナーの考案者は、料理研究家の尚道子氏(しょう・みちこ=故人)。「きょうの料理」(NHK)の講師として有名な方でした。ちなみに彼女の姉は「料理の鉄人」(フジテレビ)の審査員として知られる料理研究家の岸朝子氏です。

 発明の背景には実用上のニーズも存在しました。加工しない状態のウインナーは、箸でつかみにくいのです。ウインナーが日本の家庭で食されるようになったのは昭和30年代のこと。日本の食文化の中で、ウインナーを利用するためのノウハウがまだまだ不足していました。そんな状況の中で、ウインナーに切り込みを入れるアイデアが登場したわけです。

 かくして日本の弁当文化に「タコさん」という偉大なキャラクターが定着することになりました。筆者はこのタコさんこそが、のちに続くデコレーション料理の源流ではないかと思っています。

コメント0

「社会を映し出すコトバたち」のバックナンバー

一覧

「キャラ弁から大根おろしアートへの道」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授