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「ほけんの窓口」脱税問題に見る保険の売り方のモラル

2014年4月14日(月)

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 保険の乗り合い代理店最大手、ほけんの窓口グループ(東京・渋谷)とその子会社が、2013年6月期までの7年間に約2億8千万円の所得隠しを東京国税局に指摘されていたことが4月1日に判明した。子会社に販売奨励金名目で支出した経費は実態のないもので、国税当局は仮装・隠蔽を伴うと判断したもようだ。

 同社は、子会社の外商型保険代理店「ライフプラザパートナーズ(LPP)」への販売奨励金を損金扱いとして支出に計上していた。だが実際は、販売奨励金は売り上げに伴ったものではなく、一定額以上は損金扱いではなく「寄付金」に当たるものだと認定されたそうだ。そのほかにも、人件費の一部に費用性が認められないなどの指摘もあった。同社は「国税局の指摘を真摯に受け止める」とコメントしている。

 LPPの保険販売員は「委託型募集人」と呼ばれ、親会社のほけんの窓口グループの下請けとして保険販売を請け負う者と位置づけられている。フランチャイズ(FC)業態もこれに含まれる。下請けなので親会社のほけんの窓口グループとは直接雇用関係がない。契約件数に応じて報酬を支払う形を取っていたと見られる。販売奨励金はその報酬に相当するものだが、子会社支援が結果的に所得隠しとなった。

 今回の脱税事件で改めてクローズアップされた、委託型募集人を活用した保険販売代理店の販売構造。ほけんの窓口グループを含む、多くの乗り合い保険代理店が取る売り方である。法令では禁じられているが、金融庁はこれまで募集人に研修を受けさせるなどして、このやり方を黙認してきた。だが今、この売り方が変わろうとしている。

 来店型の乗り合い保険代理店は、「保険商品を見比べたい」という顧客のニーズを背景に、2012年頃から急速に増加した。保険会社の営業マンが直接自社の保険を売るのではなく、複数の保険商品を取り扱い顧客のニーズに合ったものをコンサルティングして販売する形態をとる。

 相談料は無料で、顧客が契約した保険からコストが回収されるビジネスモデルだ。保険の見直しをする人が多い子育て世代がよく利用するショッピングモールなどの商業施設内に店舗を構えるスタイルが目立つ。現在、ほけんの窓口グループが運営する直営店「ほけんの窓口」の480店舗を筆頭に、「保険見直し本舗」193店、「みつばち保険ファーム」170店舗、「保険クリニック」157店舗――と、生命保険や損害保険の乗り合い代理店が乱立している。

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「「ほけんの窓口」脱税問題に見る保険の売り方のモラル」の著者

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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