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日本の経常赤字容認は国際金融の安定につながる

327兆円の対外純資産は強力な支え

2014年4月16日(水)

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 東日本大震災以降、日本の経常黒字が急減した。2010年に19兆円あった黒字は2013年3.2兆円に減少した 。これを懸念する声が高まっている。その一方で「大きな問題ではない」との見方もある。関西大学会計専門職大学院で特別任用教授を務める吉本佳生氏はその1人だ。同氏に、その理由を聞いた。

(聞き手は森 永輔)

2013年の日本の経常収支は3.2兆円。震災前である2010年の19兆円から83%も減少しました 。このまま経常黒字が減っていけば、民間部門が貯蓄不足に陥り、財政赤字を国内の貯蓄で賄えなくなる。外国から借金をしなければならない--と懸念する声が高まっています。

吉本佳生(よしもと・よしお)
関西大学会計専門職大学院特任教授。名古屋市立大学卒業。住友銀行を経て研究職に。国際金融論、マクロ経済学、国際経済学が専門。『スタバではグランデを買え!』などの著書がある。
(撮影:大亀京助、以下すべて)>

吉本:私は異なる見方をしています。まず、「経常赤字=悪」という考え方は正しくない。加えて、日本の民間部門が貯蓄不足になることも考えづらいと思います。

 世界中の国の経常収支を合算すればゼロになります。つまり経常黒字の国があれば、経常赤字の国もある。日本は長年にわたって経常黒字を計上してきたので、赤字になることが悪いことのように思われがちですが、世界を見渡せば赤字の国はたくさんあります。

 それに日本が経常黒字の減少、もしくは経常赤字を容認することは、金融危機が起こるリスクを減らすことにつながります。その分、新興国など経常赤字国の赤字が減る可能性があるからです。新興国が改善した分を原資に、経常赤字国が海外債務を返済する姿勢を示せば、市場はそれを評価するでしょう。

 危機のリスクを減少させることは、もちろん日本のためにもなります。金融危機が起きれば、急激な円高と株価の下落を招きます。これを回避できます。

 ジョージ・ソロス氏などがドイツに対して「経常黒字国の責任論」を果たすべきと主張しています。経常黒字国、なかでも大きな対外純資産を保有する国は国際金融情勢を安定させるため、黒字を減らし、ときに多少の赤字を受け入れる義務があるというものです。日本にも同様のことが言えると思います。

巨額の対外純資産が日本を支える

日本国内が貯蓄不足になる可能性が低いのはなぜでしょう。

吉本:大きく3つの理由があります。いくつかの数式を引きながら説明しましょう。

 まず前提として、経常収支は次の式で表すことができます。

経常収支 = 民間の貯蓄投資バランス + 財政収支 (1式)

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「日本の経常赤字容認は国際金融の安定につながる」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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