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オバマ大統領訪日は安倍首相に“ふた”するため

尖閣を守る――は現状維持にすぎない

2014年4月28日(月)

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 オバマ大統領が4月23~25日に日本に滞在し日米首脳会談が行われた。

 「満額回答」――同大統領が「尖閣諸島は日米安全保障条約第5条の適用対象」と明言したことを受けて、これを評価する声が上がった。

 しかし、手放しで喜べる内容なのか。拓殖大学の川上高司教授は、最大のポイントはオバマ大統領の中国に対する姿勢だったと見る。それはどういうことなのか。

 TPP(環太平洋経済連携協定)、集団的自衛権、靖国神社参拝についても聞いた。

(聞き手は森 永輔)

今回の日米首脳会談をどのように評価しますか。

川上 高司(かわかみ・たかし)
拓殖大学教授。1955年熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。この間、ジョージタウン大学大学院留学。(写真:大槻純一)

川上:点数を付けるならば70点。ギリギリで合格でしょう。両首脳は、それぞれの国内に向けて説明が付く展開になりましたから。

 安倍晋三首相は、尖閣諸島と集団的自衛権についてバラク・オバマ大統領から言質を取ることができました。尖閣諸島が日米安保条約第5条の適用対象となることをオバマ大統領が明言しました。これは中国に対する抑止力を高めることにつながります。抑止力=能力×意思と表すことができます。この意思の面で大きな力を発揮します。

 集団的自衛権を行使できるようにする取り組みについても、オバマ大統領は歓迎・支持すると答えました。

 一方、オバマ大統領もTPP(環太平洋経済連携協定)について強い姿勢を貫いたと国内で説明できます。「関税撤廃を実現すべく日本に強く譲歩を迫った。受け入れられなかったが…」と議会に説明できる。

尖閣諸島については、中国は反発しています。中国外交部の秦剛報道局長が「重大な懸念を表明する」と発表しました 。

川上:中国はそう反応せざるを得ないでしょう。ただし実際のところでは、オバマ大統領は、尖閣諸島への姿勢について、中国を刺激することなく日本を満足させるという難しい仕事に成功したと思います。米国の外交はしたたかです。

 私は、米国は中国と融和する方向に政策の舵を切っていると判断しています。だから中国との関係を悪化させたくない。安倍首相と臨んだ共同記者会見で米国人記者から尖閣諸島に関する質問が出た時、オバマ大統領はかなりの捕捉をしました。

「尖閣諸島が日米安保条約第5条の対象となるのは新しい話ではない。歴代の政権がずっと取ってきた政策だ」 「領有権については立場を示さない」

 つまり、尖閣諸島と日米安保条約との関係については、あくまで現状維持なのです。大統領が自ら語ったということは重要でしたが、それ以外に、新しいことはありません。

 そして中国を刺激しないよう、非常に気を遣っている。

「米国は中国とも緊密な関係にある」 「中国の平和的台頭を支持する」
「事態がエスカレートすることは望まない。日本と中国は信頼醸成措置を講じる必要がある」

 と補っています。

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「オバマ大統領訪日は安倍首相に“ふた”するため」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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