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富裕層にとって貧乏は“趣味”だ

「現実の貧困」を今こそ見過ごしてはいけない

2014年5月9日(金)

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働いても働いても、貧乏から抜け出すことができません…。(30代女性)

 遙から

 同時期に二つのまったく両極端の節約術番組を見た。ひとつは明るい節約術。これはボンビーガールに始まり、貧乏芸人の暮らしぶりもまた、狭い・汚い・貧しい食生活(カップラーメンだけなど)、を基盤にした明るい貧乏だ。本人の明るさとは別に、見る側の驚くリアクションの落差で番組がバラエティとして成立している。

 なぜ本人が明るいかというと「もし将来芸人として売れたら」という未来がある。夢を前提とした現在の貧しさはとりあえず明るい。貧乏は、若さと未来と希望で悲壮さは相殺され、見る側にも「自分も若い頃はああだった」といった既視感すら覚えさせ、貧しいほどに応援したくなるポジティブさに着地して番組は終わる。一か八かで入った芸能界で、本人が選び取った覚悟の貧しさ、という点において暗さはない。

覚悟のビンボーか、避けられなかった貧困か

 それに比べ、「女性の貧困」を取り上げたドキュメンタリーは、上記同様、狭い・汚い・貧しい食生活でも明るさとはかけ離れている。深刻さと悲壮感、未来の見えなさに息詰まる。そもそも印象は編集次第だが、もっとも安い野菜のモヤシを炒めて食べ、まだ日の上がらない冬の朝に出かける姿に見ている側は打ちのめされる。

 それは選び取った貧乏からのスタートではなく家庭の事情などでそうならざるを得なかった貧乏。缶詰一つとご飯だけの夕食。横になるのがやっとの狭さ。バイトでなんとか命は繋げられてもどこまでいってもバイトで、彼女たちはただ貧しく生きている。昼夜を問わずバイトし、なにかの資格を取ろうとする女性もいた。貧乏を生きる必死さ、今より一歩でも這い上がろうとする懸命さの映像の背後に映る、狭さ・汚さ・貧しい食生活に、明るさ楽しさ希望を私は感じることができなかった。一歩這い上がれても貧乏から抜け出られない社会構造がある。「女性の貧困」をテーマにするドキュメンタリーや社会学者が発信する警鐘はその構造自体を指摘し批判しているからだ。

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「富裕層にとって貧乏は“趣味”だ」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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