• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

200年後も老朽化しない鉄筋コンクリートを実現

既存の鉄筋コンクリートの長寿命化も

2014年5月28日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 いつ起きても不思議でないと言われる首都直下型地震や南海トラフ巨大地震。その発生が危惧される中、老朽化したトンネルや橋、建物の補修や建て替え工事が急がれている。そんな中、(独)物質・材料研究機構(NIMS)元素戦略材料センターの西村俊弥主席研究員が、200年は老朽化しない鉄筋コンクリートを開発した。5年後の実用化を目指す。

 「鉄筋コンクリートは一概に、『建てられてから何年経っているから危険』、逆に、『何年しか経っていないから安全』ということはまったく言えないんです。明らかに大きなひび割れがあるものは別ですが、老朽化の度合いは、築年数や外見からでは判断がつきません。それを調べるには、鉄筋コンクリート内部の環境を調べるしかないのです」

 こう語るのは、(独)物質・材料研究機構(NIMS)の元素戦略材料センターで、金属の腐食の研究をしている西村俊弥主席研究員だ。

鉄筋コンクリートの老朽度は築年や外見では判断できない

(独)物質・材料研究機構(NIMS)元素戦略材料センターの西村俊弥主席研究員

 いつ起きても不思議でないと言われる首都直下型地震や南海トラフ巨大地震。その発生が危惧される中、2012年12月に起こった笹子トンネルの天井崩落事故を機に、老朽化したトンネルや橋、建物の補修や建て替え工事が急がれている。

 しかし一方で、東日本大震災の復旧工事、さらに、2020年の開催に向けた東京オリンピックの建設工事も目白押しで、建設業界では、需要に対して供給が追いついていないのが現状だ。莫大なコストと工期がかかることも、建て替え工事がなかなか進まない原因の1つとなっている。

 「最近になって、『国土強靭化』が叫ばれるようになりましたが、私が研究に本腰を入れ始めた5年前から、関係者の間ではすでに、高度経済成長期に建てられた鉄筋コンクリートの中にはかなり深刻な状況にあるものが多いという認識で一致していました」と西村氏は振り返る。

 老朽化した建造物を建て替えると言っても、短期間で一気に進められない以上、倒壊の危険度が高い順に、優先順位をつけて着工するしかない。ところが、鉄筋コンクリートは置かれている環境、材料、製造方法が千差万別で、それによって老朽化の進み具合が大きく変わってくる。それゆえ、築年数や外見からだけでは判断するのが難しく、優先順位を決めることができない。

 そこで、今回、西村氏が開発したのが、鉄筋コンクリート内部の環境を調べ、老朽化の度合いを判定することができるセンサーだ。このセンサーを使えば、鉄筋コンクリートに、直径約1ミリ、深さ数十ミリの小さな穴を開けて、その中にセンサーを挿入するだけで簡単にコンクリート内部の環境を調べることができる。

コメント10件コメント/レビュー

久しぶりに「良い記事」と膝を打つ記事に会いました。地味ですが有意義な研究によくぞスポットを当ててくださったと思います。エネルギー関係のビジネスに関わっている身ですが、紹介された技術は、正直ビジネス的にも有望なものだと思いました。この技術には何らかの関わりが持てればと思っています。(2014/05/28)

「日本キラピカ大作戦」のバックナンバー

一覧

「200年後も老朽化しない鉄筋コンクリートを実現」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

久しぶりに「良い記事」と膝を打つ記事に会いました。地味ですが有意義な研究によくぞスポットを当ててくださったと思います。エネルギー関係のビジネスに関わっている身ですが、紹介された技術は、正直ビジネス的にも有望なものだと思いました。この技術には何らかの関わりが持てればと思っています。(2014/05/28)

紀行番組で度々ヨーロッパの古い町並みで、築200年超の建物に当たり前の様に暮らしている人達を見る度に羨ましく思った。日本と同じ地震国であるイタリアもその例に漏れない。全て石造なのか、レンガ済みにモルタルを塗り付けた建物もあったのだと思う。こう言う事に触発されたのか、十年以上前に「百年住宅」という言葉が流行り、個建てや集合住宅でも百年住宅と銘打った住宅が売り出されたが、購入者が、自分本人が100年住む訳ではないから、割高な住宅が次第に敬遠されて、今は細々と取り扱われているに過ぎない。高齢化社会の到来が言われてから久しいが、「コンパクト・シティー」という響きの良いコンセプトだけは聞こえて来るが、普通の人が普通に暮らせるコンパクト・シティーが出来たと言う例を聞かない。多分、未だに「これがコンパクト・シティーだ!」と言うものが出来ていないのだろう。コンパクト・シティーは雪国であれば、高齢者の屋根の雪下ろし中の滑落事故等は起こり様も無いし、若い人でも便利だと思う。自分自身、人生の殆どを個建て住宅で過ごしているが、「終の住処」として買う気になれないのは、集合住宅であっても30年も過ぎると評価額ががた落ちするのが主因と考えています。個建てであれば、家は同じ様に評価が下がっても、土地は自分のものだし、子供の世代で建て直せば良い、と安易に考えているからだ。第二の理由として上げられるのが、「マンション」という名の集合住宅は割高で狭い事だ。個建てであれば、後からでも屋根裏を物置にしたり、庭にも物置をおけるのに、マンションは買った分の広さで最後までいかなければいけない。例えば年齢や家族構成の変化とともに、同じマンション内で間取りの違う部屋に住み替えたりすると、売買によるロスが多過ぎて馬鹿げているから、最初から無理してでも「少し大き目」なマンションを、場合によっては二世代ローンまで組んで購入する事になる。然し乍ら、今は世代が変わっても同じ土地で職を得て暮らし続ける可能性は極めて低い。マンションも30年程度で新築時とは桁違いの安さになるのは「百年すら保たない」スクラップ&ビルドを前提とした建物だからである。二百年保つ鉄筋コンクリートが出来るなら、二百年マンションも出来る筈。(2014/05/28)

将来に期待を持たせる素晴らしい技術、素晴らしい記事でした。出来れば続報でのフォローを希望します。(2014/05/28)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長