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「テレパシー」や「フォース」が現実になる日

ウエアラブルは“不気味の谷”を越えられるか

2014年6月2日(月)

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 メガネチェーン「JINS」を展開するジェイアイエヌが発表した「JINS MEME(ミーム)」。一見普通のメガネだが、フレームに搭載した眼電位センサーで目の動きやまばたきを検知し、メガネをかけている人の眠気や疲労度などを計測できるウエアラブル端末だ。

 最近では、米グーグルの「グーグルグラス」のようなメガネ型や腕時計型など、様々なウエアラブル端末が開発されてはいるものの、普及のスピードは遅い。その原因として、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科の稲見昌彦教授は「不気味の谷」の存在を指摘する。

 先進技術と人間との関わりに造詣が深い同教授に、ウエアラブル端末の歴史から現状、そして未来の可能性まで聞いた。

(聞き手は森岡大地=日経トレンディ編集部)

メガネやゴーグル型、腕時計型など、ウエアラブル端末が続々登場しています。

稲見 昌彦(いなみ・まさひこ)氏
慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。1972年東京生まれ。1999 年東京大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。米マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピュータ科学・人工知能研究所客員科学者、電気通信大学知能機械工学科教授などを経て現職。ロボットやバーチャルリアリティーなど、インタラクティブ技術に関する研究に従事する(写真:大高和康)

稲見:ここ最近のトレンドのように思われがちですが、実はウエアラブルという概念の勃興は1945年にさかのぼります。同年7月、米国の科学研究開発局長官であるヴァネーバー・ブッシュは、米アトランティック誌に「As We May Think」と題した論文を発表。超小型カメラをメガネや頭部に取り付け、画像を記録し共有するというアイデアを提案しています。

 その後、ブッシュの孫弟子であるアイヴァン・サザランドが65年、世界で初めて頭部搭載型ディスプレー(HMD)の理論を提唱。68年には実際に実験室内での実験に成功しました。いわばこれが、米グーグルが開発中の「グーグルグラス」のようなメガネ型ウエアラブル端末の元祖と言えるでしょう。

歴史は意外に古いですね。

稲見:1960年代の米国は、2つのフロンティアに注目していました。1つは「宇宙」。そしてもう1つが、「サイバースペース」でした。サイバースペースを新たな空間として認知し、そこに没入するための技術の開発が始まったのです。

 アイヴァン・サザランドが活躍した60年代後半に続いて、時代が大きく動いたのが90年代の近辺です。89年には世界初の商用VR(バーチャルリアリティー)システム「RB2」を米VPLリサーチが開発。VRという言葉が一躍脚光を浴びました。

 また、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの学生たちによって、小型・軽量のHMDシステムが登場したことで、ヴァネーバー・ブッシュが提唱した概念は、「ウエアラブルコンピューター」という新たな技術領域を確立することになりました。

5月に開催されたJINS MEMEの発表会でウエアラブル端末の歴史について講演する稲見教授

20年周期の技術革新

1990年代には既に、ある程度ウエアラブル端末の原型ができていた。

稲見:そうですね。60年代後半に提唱された概念が、90年代に現実のものとして飛躍しました。研究者の世代交代や技術の進歩を考えると、20年程度の周期で大きな革新が起きています。そう考えると2010年代である今は、進化の時かもしれません。

 実は今、従来は別々に研究が進んでいたウエアラブルコンピューターと、通信技術を活用したユビキタスコンピューティングの世界が融合を始めています。情報端末の小型化といったハード面の進化と、常時接続・高速通信といったネットワーク技術が融合。活用の幅が広がっています。実際、スマートフォンは昔のスーパーコンピューター並みの処理能力を持ち、高速通信まで一台でできます。数十年前からは到底考えられないことです。

コメント2件コメント/レビュー

「不気味の谷」、たしかに。職場での作業で使うのならば活用分野が進んでほしいと思いますが、日常生活で使うのであれば、デートに着けていって相手が嫌がらなければ普及するかもしれませんね。青木さやかさんじゃないけど、相手は「どこ(何)見てんのよ!?」って絶対思うと思うなー。(2014/06/03)

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「「テレパシー」や「フォース」が現実になる日」の著者

森岡 大地

森岡 大地(もりおか・たいち)

日経トレンディ記者

2006年、日経トレンディ記者、2013年、日経ビジネス記者、2014年に日経トレンディ記者。“イクメン”を目指し、仕事との両立に奮闘中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

「不気味の谷」、たしかに。職場での作業で使うのならば活用分野が進んでほしいと思いますが、日常生活で使うのであれば、デートに着けていって相手が嫌がらなければ普及するかもしれませんね。青木さやかさんじゃないけど、相手は「どこ(何)見てんのよ!?」って絶対思うと思うなー。(2014/06/03)

後期高齢者にはミラクルの連続― 大は無人偵察機の飛行で遠隔操作も遠隔、日本三沢とカルフォルニア??尤も宇宙衛星の操作も全うできる時代だぜと言われれば、それはそれで納得するものの、小はこのウェアラブルコンピュータの無限に広がるだろうアイデアの世界だ。記述にあるようなテレパシーやフォースに及ぶこの世界、夢あふれる若き科学研究者、技術研究者の諸君には恐縮ながら、私は「どこまでつづく泥濘(ぬかるみ)ぞ」と言いたいイメージだ。イメージして戯れながら生きる私の世代はよろしいがこの先,普通の生活を過ごすつもりが、こうした生活圏を普通なものとして生活することになる若い人々の感覚は、これが真に普通また快適な生活なのだろうかと考える。特殊・特別、限定・制限条件を超えない範囲の行動・履行と云った但し書きにまみれた抑止力醸成も横溢するのではなかろうか。いつの日にかこうした杞憂への手立てが聞きたい。(2014/06/02)

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