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タテマエばかりの“外国人実習生”

“外国人労働者”受け入れをホンネで議論せよ

2014年6月4日(水)

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 安倍晋三政権は外国人労働者の受け入れ問題をかなり大胆に議論している。「建設関係の人材を確保するために実習生の受け入れを拡大する」「特区で外国人メイドを認める」「EPAに限定している介護人材を技能実習制度でも入れていく」などのテーマを規制改革会議と経済財政諮問会議の合同会議が議論している。

外国人活用に踏み切る安倍政権

 背景には若年人口の減少と雇用のミスマッチがある。総務省がこの4月に発表した数字によると、生産年齢人口(15歳から64歳)は32年ぶりに8000万人を切った。今後も継続して減少することが見込まれる。一方、その少ない生産年齢人口に属す人々は、介護や建設という厳しい職業を選ばなくなっている。

 90年代初頭には200万人を超えていた18歳人口も今年は120万人を切り、4割減となった。一方で、1985年には450校程度であった大学数が、2009年には800校弱にまで増加している。つまり高卒者の数は減るのに大学数が激増しているので、一部の有名大学を除いて大学入学は容易になり、昔だったら高卒の学力でとどまっていた学生の多くが大卒の資格を持つ。本人も親も高卒に比して4年間の時間と学費・生活費を投資しているので期待は高い。よって本人も親も、いわゆる人気業種、人気企業を就職先に選んでしまいがちだ。残念ながら、介護も建設も家事支援も、そういう人気業種には入っていない。

背景に人口減少とミスマッチ

 人気企業への就職は今も昔も狭き門だ。若年失業率は全世代失業率の2倍以上と言われるが、選り好みをしなければ今の若者にも十分に働き口はある。介護、建設、物流などの分野で人手不足は恒常的だ。

 こうした事情を背景に、「外国人の手も借りたい」との要請を産業界から受けて、政府が出した答えが技能実習生を活用するという手段である。アベノミクスの進展に人手不足によって水を差されたくないく政府は、いまだに外国人労働力にアレルギーのある与党を「技能実習生」という方便を用いて説得した。

 緊急措置ということで、技能実習生の受け入れはまず建設業から拡大する。この背景には被災地の復興と東京オリンピック開催がある。人手が足りず復興もオリンピックも厳しくなっている。そのほかの工事はさらに後回しだ。建設単価が上がっており、入札では建設会社が応札せず、入札など事実上ないようなものだ。デべロッパーの採算も悪化している。

 政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、2015年からの6年間で延べ15万人程度の建設労働力が不足すると試算している。「技能実習生」を受け入れることで、延べ7万人程度を補う目論見だ。

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「タテマエばかりの“外国人実習生”」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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