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後門の狼で前門の虎を制すロシア

ウクライナが核の脅威に直面した時には中国が支援

2014年6月3日(火)

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 ロシアを巡る動きが相次いで起こった。

 5月20日、ウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席が首脳会談に臨んだ。この一環として、ロスネフチと中国石油天然気集団(CNPC)が、ロシア産天然ガスを中国に供給する大型の販売契約を結んだ。翌21日には、両首脳がそろって出席したアジア信頼醸成措置会議(CICA)が上海宣言を採択した。アジアにおける、米国抜きの安全保障体制を提唱した。

 一連の動きを見て、「中ロ蜜月」と評する報道がある。他方、「ロシアは中国に、EU(欧州連合)向けよりも安くガスを提供せざるを得なかった。ジュニア・パートナーに甘んじることになった」との見方も浮上している。

 5月25日はウクライナで大統領選挙が行われた。親欧米派のペトロ・ポロシェンコ氏が当選した。

 果たして、プーチン大統領は中国や欧米との現状をどう捉え、どのような判断を下したのか。ウクライナ危機の今後の展開はどうなるのか。ロシア地域研究で注目を集める、兵頭慎治・防衛研究所米欧ロシア研究室長に聞いた。

(聞き手は森 永輔)

5月に起きた一連の出来事を受けて「中ロ蜜月」という見方があります。兵頭さんはどう見ていますか。

兵頭:ウクライナ危機以降、ロシアは欧米から制裁を科されるなど、プレッシャーをかけられています。これに対抗するため、「いざとなったら中国と組むぞ」というポーズを欧米に示したかったのでしょう。

 中国も南シナ海におけるベトナムやフィリピンとの紛争について、米国からプレッシャーをかけられています。対米共闘という意味で中ロの利益は一致しています。

天然ガスの契約以外に成果なし

兵頭 慎治(ひょうどう・しんじ)
防衛省防衛研究所 地域研究部米欧ロシア研究室長
専門はロシア地域研究(政治、外交、安全保障)、国際関係論、国際安全保障論。1994年 上智大学大学院国際関係論専攻博士前期課程修了。1994年 防衛庁防衛研究所第2研究部助手。1996~1998年 外務省在ロシア日本大使館政務担当専門調査員。2011年~現在 日本国際問題研究所研究プロジェクト委員。近著に『ユーラシア国際秩序の再編』(共著、ミネルヴァ書房、2013年12月)など。
(写真:菊池くらげ 以下同)

 しかし「蜜月」というのは違う。両国の間にはかなりの温度差があると見ています。今回の首脳会談を機に、両国は天然ガスの売買契約を結びました。これは両国にとって大きな成果です。ですが、それ以外に目新しい成果はありません。

 例えば両国は、戦勝70周年行事を来年、共同で実施することに合意しました。しかし、これは65周年の時もやったことです。将来に向けて協力する案件がないため、過去を振り返って共通項をみつけるしかなかったと言えます。

 戦勝70周年行事に関して、中国は日本を見ています。ロシアも一緒にやっているぞ、と日本にアピールする意図があるのでしょう。しかし、ロシアが見ているのはドイツです。

東シナ海で両国の海軍が合同演習を行いました。プーチン大統領と習国家主席が開幕式に参加しました。

コメント3件コメント/レビュー

直接的な一次情報の少なかったたとえば、江戸時代、鎌倉時代の幕閣が手にしていた諸外国の情報という捉え方ですね。実際には交渉現場での喧々諤々の議論があったことでしょう。(2014/06/05)

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「後門の狼で前門の虎を制すロシア」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

直接的な一次情報の少なかったたとえば、江戸時代、鎌倉時代の幕閣が手にしていた諸外国の情報という捉え方ですね。実際には交渉現場での喧々諤々の議論があったことでしょう。(2014/06/05)

オバマはロシアより中国の方が将来的には危険な存在である事に目を閉じているとしか思えない。現時点では、軍事力的には中国よりはロシアの方が上であると思われるが、ロシアは既に独裁国家ではなく、選挙で選ばれた議員や大統領によって国政が運営されていて、野党も存在している。曾ての独裁の主体であった共産党ですら未だに存在しているのだ。対して、中国は毛沢東以来共産党独裁のままであり、共産党独裁を批判する者は直ぐに「国家反逆」の烙印を押し、刑務所に入れたり処刑したりしている。?小平の「改革開放」以降、見掛け上自由経済国の様に見える為、且つ14億近い世界一の大人口かかえる市場としての魅力があるため、どの国も中国を正面切って批判しない。政治体制的にはロシアより危険な中国にロシア産天然ガスを安く買う事を許してしまった「利敵行為」をアメリカは犯してしまった。ロシアは1991年12月25日のソ連崩壊で地位が落ち込んだとは言え、あれから30年強しか経っていない。今回ロシアが領有を宣言したクリミアも、当時からロシア人が多数であり、且つセバストポリにはロシアの重要な軍港があったにも関わらず、独立させたウクライナの一部として引き渡したのは、「独立してもロシアの傘の下」という思いがあったからだろう。今回のウクライナの動きは、ロシアにすれば「飼い犬に手を噛まれた」気分で、先に立ち上がったクリミアのロシア人が独立を宣言した事に乗ったのだろう。民族の入り組んだ地域での「国境」は、大陸に於いてはめまぐるしく変更され、それに伴う植民等も行われるので、非常に込み入っており、どちらの主張が100%正しいなんて事は無いのだ。イスラエル等二千数百年前に国家が消滅して以来、民族は現地やその他の地域で生き残っていたが、第二次大戦後のどさくさに紛れて独立を勝ち取ったものだ。イスラエル人は多分「この地は歴史的にユダヤ人のものだ」と主張しているのだろう。こんなイスラエルをアメリカは支持している。ロシアが自民族が多勢であるクリミアを取り返したからと目くじらを立てた事で、ロシアをより「危ない国」である中国側に押しやった政策は大失敗以外の何者でもない。別の記事で書かれていたが、正に「得をしたのは中国だけ」なのだ。(2014/06/03)

さすが専門家の分析は参考になります。中露を十把一絡げひとからげにして、悪の帝国扱いで報道する西側のプロパガンダコピペ記事とは大違いです。(2014/06/03)

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