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公で野次られた女性の処方箋

勝負の場で返り討ちにしようじゃないか

2014年6月27日(金)

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塩村文夏都議の「野次」問題について、遙さんの意見を聞かせてください。(30代女性)

 遙から

 先般、塩村文夏都議に飛ばされた野次の問題。すでにもうこれがとてもいけないことだという論評が主流で、飛ばした鈴木章浩都議も謝罪し、生卵も投げつけられ、あとは党がどう着地させていくのかという流れに収れんされていく中、この出来事から私が発見できることを書いておきたい。ひとことでいうと、公で女性が野次られた時の処方箋だ。

 女性を傷つけた。鈴木氏は悪い。日本はまだ男尊女卑だ。と、いくら叫んでもどれも目新しい主張ではない。どの時代にも女性を傷つける発言をする男性はおり、その都度物議をかもし、なんらかの建前上の責任を取ったり落選したりで一応の結末を迎える。そしてまた繰り返される。だから今回もまた、やがて収束しおそらく将来誰かが繰り返す。

 今日のニュース番組ではもうメインテーマは集団的自衛権。“国”の問題の前では“女性”を傷つけた問題はそう日を置かずに雲散霧消する。

 なぜ時代を超えて繰り返すのか、を、考える。

“軽い”からすぐ消え、次へ行き、繰り返す

 まず今回の野次。どこか地方の、腹のでっぷり出たオッサン代議士がそれを発言したのではない。鈴木氏は51歳のシュッとしたビジュアルの男性だった。そして東京都議だ。鈴木氏は「早く結婚したほうがいいんじゃないか」は認めたが、「自分が産めよ」「産めないのか」といった、より悪意のあるほうの野次は否定する。それを言ったのが誰かという犯人捜しを言われた側はしようとしているが、どの発言を取り上げたところで、目くそ鼻くそだ。

 東京という都心で、また、普通の大人の男性がそれを公の場で言え、犯人捜しをしているのかあえてしていないのか、男たちはこういう場合、互いに強く守りあう。鈴木氏は「軽い思いで発言した」「都議を誹謗するつもりはなかった」と詫びている。この「軽い」と、「つもりはなかった」のほうが、私には「結婚しろよ」「産めよ」発言より重要だと思っている。

 “そんなつもりなく軽く言った”を男性たちが共有している限り、今後も“軽く”傷つける行為は起こる。“軽い”から笑え、“軽い”から相手の痛みも分からない。

 “軽い”からすぐニュースから消え、“軽い”から男性社会ではとっとと次にいく。その程度の“軽さ”が男性達を守りあわせる。だから鼻くその犯人は自ら名乗りでることもなく、知っていても告げ口もしない。強い男の友情の絆はその“軽さ”にある。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

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「公で野次られた女性の処方箋」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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