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燃料電池車で泣いたトヨタの開発者

発売を前倒しする本当の理由

2014年7月8日(火)

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 トヨタ自動車が2014年度中に燃料電池車を市販すると発表した。20年以上の開発の苦労を思い出し、涙を見せる開発者も。「プリウス後」に停滞していた先進イメージを取り戻せるか。

トヨタが市販する燃料電池車。特許の塊でもある

 昨年11月に開かれた東京モーターショーで、トヨタ自動車は市販予定のFCV(燃料電池車)を世界で初めてお披露目した。その発表直前の舞台裏で開発者が人目もはばからず泣いていた。これまでの開発を振り返り、苦しかった記憶が脳裏をよぎったのだろう。

 それほど世界初となるFCVの市販化へ向けた道のりは平たんではなかった。20年以上前から開発を始め、2002年に世界初のリース販売にこぎつけたものの、様々な課題があった。

 FCVは燃料タンク内にある水素と、空気中の酸素を心臓部であるスタックで反応させて発電し、走行する。当時のモデルは水素をタンクに貯められる量が少なく、航続距離は300km程度。スタックのパワーも足りなかった。触媒で化学反応をさせるため、劣化などの課題もあった。何よりコストが高く、1台当たり1億円とも言われ、当時の試乗車を運転する際はずいぶん緊張した。

 それらの課題を開発陣が1つひとつ乗り越えていく。新型車の航続距離は700km程度で、スタックの出力密度は従来車の2倍以上とパワーを高めた。価格は700万円まで下げた。全体の開発だけで取った特許が約2400件。スタックやタンクなどの基幹部材は他社に頼らず、自前で作り上げていった。

コメント3件コメント/レビュー

「良くやった!」と言いたい。恐らく、利益なゼロで、開発費の償却も当面製品価格には転嫁しないのではないか。それでも世の中に出そうと言う意気に感じる。そうはいっても、原発が全停の現状では、水素を作るのは火力発電で作った電力が頼り。これでは「CO2排出ゼロ」も胸を張り難い。トヨタは地熱等の再エネ開発に力を貸すべきだろう。自前で出来ないなら、開発企業の側面支援でも良い。特に延性帯涵養地熱発電や高温岩体発電の様に、将来的に全発電すらカバー出来る技術の開発をトヨタが支援すれば、力強い事この上ない。トヨタも会社の評価を上げる事が出来るし、FCVを世界に売り込むにも助けとなる筈だ。火山国は自然環境に於いてリスクを背負わされているが、地熱で全電力を賄う事が実現すれば、火山を「重要な資源」に変換出来る。現代の魔法使いと言える。インドネシアやフィリピン、台湾等の他国にも援助の手を差し伸べる事は夫々の国に於けるトヨタの名を間違いなく押し上げる。他社も1年遅れで発売しようとしているらしいが、恐らく2年は遅れるだろう。その間に「FCVはトヨタ」の実績を積み重ねる事は大きい。他社が売り出す頃には、恐らく利益も上げられる様になっているだろう。水素を燃料とするFCVで気になるのは、爆発の危険性を伴う高圧水素タンクを車に抱えている事だ。くれぐれも安全性は万全なものとして欲しい。例えば衝突試験でも絶対に爆発しない仕組み等。ガソリン車も事故で発火した場合に爆発する事はあるが、高圧水素の爆発はそれ以上に威力があると思われるので、利用者の納得が得られる様に是非ともお願いしたい。(2014/07/08)

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「燃料電池車で泣いたトヨタの開発者」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「良くやった!」と言いたい。恐らく、利益なゼロで、開発費の償却も当面製品価格には転嫁しないのではないか。それでも世の中に出そうと言う意気に感じる。そうはいっても、原発が全停の現状では、水素を作るのは火力発電で作った電力が頼り。これでは「CO2排出ゼロ」も胸を張り難い。トヨタは地熱等の再エネ開発に力を貸すべきだろう。自前で出来ないなら、開発企業の側面支援でも良い。特に延性帯涵養地熱発電や高温岩体発電の様に、将来的に全発電すらカバー出来る技術の開発をトヨタが支援すれば、力強い事この上ない。トヨタも会社の評価を上げる事が出来るし、FCVを世界に売り込むにも助けとなる筈だ。火山国は自然環境に於いてリスクを背負わされているが、地熱で全電力を賄う事が実現すれば、火山を「重要な資源」に変換出来る。現代の魔法使いと言える。インドネシアやフィリピン、台湾等の他国にも援助の手を差し伸べる事は夫々の国に於けるトヨタの名を間違いなく押し上げる。他社も1年遅れで発売しようとしているらしいが、恐らく2年は遅れるだろう。その間に「FCVはトヨタ」の実績を積み重ねる事は大きい。他社が売り出す頃には、恐らく利益も上げられる様になっているだろう。水素を燃料とするFCVで気になるのは、爆発の危険性を伴う高圧水素タンクを車に抱えている事だ。くれぐれも安全性は万全なものとして欲しい。例えば衝突試験でも絶対に爆発しない仕組み等。ガソリン車も事故で発火した場合に爆発する事はあるが、高圧水素の爆発はそれ以上に威力があると思われるので、利用者の納得が得られる様に是非ともお願いしたい。(2014/07/08)

燃料電池車がずいぶん前に実車ができてからも、販売開始まで時間がかかったことでの、開発者の苦悩はわかりました。しかしながら、なぜ、これまで発売ができなかったか?その理由についてはわからなかったため、開発者の苦悩については、共感できませんでした。一方で、燃料電池車が発売開始されることで、石油業界は5~600億規模の「水素スタンド建設投資」が始まっている様です。金額規模としても、切実な石油業界の苦悩が始まっている気がするのですが、いかがでしょうか?(2014/07/08)

元内燃機の技術屋としてはとうとう来る時が来たかと言う感じです。 空気中の水素&酸素で走る車。(水素合成には、他のエネルギーが必要なるも、生産面の効率、公害減少化からは遥かに有利) インフラの未整備な現在、近未来までの当面は、製造コスト面からも、スカイアクティブ(ディーゼル)、アイサイトとのハイブリッドも可能かと思います。(2014/07/08)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長