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我々の考えが海外機関投資家に届かなかった

買収防衛策が否決された理由を、カプコン副社長に聞く

2014年7月9日(水)

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 国内ゲーム大手のカプコンは6月16日に開催した株主総会で、買収防衛策を継続する議案が否決された。同社が買収防衛策を導入したのは2008年のこと。以降、2年ごとに株主総会で継続議案を決議してきたが、否決されたのは今回が初となる。

 2012年の株主総会では賛成が約59%で可決。だが、今回は反対が約52%と賛成を上回り否決となった。企業のグローバル化が叫ばれる中で自ら買収防衛策を撤廃する企業が多いが、実際に議案そのものが株主に受け入れられないことは珍しい。なぜ継続議案は否決されたのかについて、カプコン副社長の小田民雄氏に聞いた。

(聞き手は佐伯真也)

まずはじめに、2008年から買収防衛策を導入してきた理由を聞かせてほしい。

小田:カプコンが持つ資産が株式の時価総額に反映しにくいためだ。我々の最大の資産が、「バイオハザード」や「モンスターハンター」「戦国バサラ」などオリジナルの人気コンテンツやキャラクターを数多く手掛けていることだ。映画コンテンツやキャラクターなどを他社からライセンスしてもらい、そこからゲームを制作しているのではない。

 他社からコンテンツやキャラクターのライセンスを受けてゲームを作ると、資産として計上できる。だが、我々のように自社でコンテンツを保有してる場合は資産計上できず、オフバランス化されてしまう。つまり、我々が考える企業価値に比べて、実際の時価総額は低くなっていると考えている。

 しかも、我々が手掛けるコンソール(専用機)向けのゲーム開発には2~3年の時間を要する。実際に敵対的買収が仕掛けられてしまえば、開発現場は混乱し企業価値は損なわれてしまう。オリジナルゲームを数多く手掛ける我々のビジネスモデルを続けていくには、何らかの防衛策が必要だった。

これまで導入してきた株主防衛策の内容はどのようなものだったのか。

小田:まず説明しておきたいのは、カプコンは敵対的買収そのものを否定しているわけではない。カプコンのゲーム開発の文化を理解した上で、それをより良くするための提案であれば現経営陣は耳を傾けるべきだと考えている。

 我々が2008年から導入してきた株主防衛策の内容に大きな変化はない。大まかに言えば、敵対的買収のルールを定めている。

 具体的に、20%以上の株式を取得しようとする買収者には、公開買い付け前に協議の時間を設けることを求めている。現行の法律では公開買い付けが開始してから10日後までに意見表明できるが、それでは遅いと考えている。

カプコンの小田民雄副社長(写真:加藤康)

海外株主を説得できなかった

では今回、株主防衛策の議案が否定されたのはなぜか。

小田:アベノミクスの恩恵もあり、海外、とりわけ米国東海岸の機関投資家が日本株に注目している。我々としても、海外株主を増やすためのIR活動は積極的に実施している。

 実際、カプコンの海外株主比率も従来は25~30%だったが、今年3月末の時点で37.2%に高まった。これに、議決権行使では除外される自社株(16.9%)などを加味すると、議決権に占める海外株主比率の割合は55%に達する。

 やはり、海外の機関投資家から見れば買収防衛策という議案はネーミングの問題もありネガティブな印象を与えてしまう。我々の提案内容を理解していただけなかったということに尽きる。

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「我々の考えが海外機関投資家に届かなかった」の著者

佐伯 真也

佐伯 真也(さえき・しんや)

日経ビジネス記者

家電メーカーで約4年間勤務後、2007年6月に日経BP社に入社。日経エレクトロニクス、日経ビジネス編集部を経て、15年4月から日本経済新聞社証券部へ出向。17年4月に日経ビジネス編集部に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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