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「軽減税率に反対。導入しても低所得者対策にならず」

日本スーパーマーケット協会会長に真意を聞く

2014年7月10日(木)

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 日本スーパーマーケット協会が、軽減税率の導入に反対を表明している。政府は、来年10月から消費税率を10%に引き上げることを目指しているが、その際に軽減税率を導入すべきか議論している。与党税制調査会は7月8日から、業界団体からのヒアリングを始めた。

 軽減税率とは、低所得者を支援する目的で食料品など生活必需品の消費税率を引く押える制度である。消費者の日々の生活を支えるスーパーマーケットは、この制度の何が問題と考えているのか。商品価格の表示問題も含め、日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長(ヤオコー会長)に話を聞いた。

(聞き手は大竹 剛)

日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長(ヤオコー会長)

日本スーパーマーケット協会は7月3日に開催した総会で、軽減税率導入に反対する方針を固めました。なぜでしょうか。

川野:私たちも、低所得者対策として軽減税率はいいのではないかと、初めは思っていた。しかし、ほかの方法もあると知って、本当に軽減税率がいいのか疑問を持つようになった。

 軽減税率を導入している欧州の国々を調べてみると、物品税などいろいろな歴史が背景にあって、軽減税率を導入しなければならなかったという事情があることも分かった。

 私どもは2年前から、役員会で軽減税率に反対の意向を示し、少なくとも消費税率10%を導入するまでは単一税率にすべきであると主張してきた。スーパーマーケットの商売がどうのこうのというわけではなく、現在の日本の財政事情を考えると、軽減税率を導入するような状況にはないはずだ。しかも、軽減税率にはいろいろな問題があることも分かってきた。

軽減税率反対は業界のエゴではない

どのような問題があるのでしょうか。

川野:(請求書などに適用税率や税額の記載を義務付ける)インボイスのような仕組みが必要になるとか、コンピューターのシステムを変更しなければならないとか、スーパーマーケット業界としてそういう負担を避けたいという事情はある。しかし、企業側の都合だけで国の政策にモノを申すというだけでは、業界のエゴととらえられてしまう。そのため、協会として消費税問題検討委員会(座長は中央大学法科大学院の森信茂樹教授)を設置して専門家を招き、勉強を重ねてきた。

 その結果、低所得者対策として軽減税率は十分ではなく、もっと良い方法があるということが分かった。欧米諸国でも、できれば税率を一本化したいという方向に動いているようだ。

コメント16件コメント/レビュー

■消費税の目的は「徴税」であり、「貧富の差をなくすこと」ではない。■軽減税率は日本の全ての商品取引を複雑化させ、何の付加価値も生まない膨大な事務経費がかかり、非常に非効率な徴税システムとなってしまう。しかも「イートイン」「テイクアウト」の例のように、軽減税率対象範囲の設定のために、官僚や学者が貴重な時間を費やすことになる。これは国家的無駄だ。■実は日本には事実上の軽減税率が導入された例がある。ビールだ。世界に全く通用しない第3のビールのような節税商品を開発するという無意味な努力を費やしている。日本のうまいビールをもっとうまくすることに費やすべき貴重な労働力や研究費を、節税商品開発などという無価値なことに費やすべきではない。■消費税は徴税という目的を低コストで達成することを第一とし、貧富の格差是正は低コストで平等な別の方法で実現すべきである。(例えば、全国民に1人あたり月数千円を配布する方が遙かに簡単で平等ではないか。これならば贅沢な食料を買える富裕層の方が減税額が多くなるという逆進性もない。)(2014/07/11)

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「「軽減税率に反対。導入しても低所得者対策にならず」」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

■消費税の目的は「徴税」であり、「貧富の差をなくすこと」ではない。■軽減税率は日本の全ての商品取引を複雑化させ、何の付加価値も生まない膨大な事務経費がかかり、非常に非効率な徴税システムとなってしまう。しかも「イートイン」「テイクアウト」の例のように、軽減税率対象範囲の設定のために、官僚や学者が貴重な時間を費やすことになる。これは国家的無駄だ。■実は日本には事実上の軽減税率が導入された例がある。ビールだ。世界に全く通用しない第3のビールのような節税商品を開発するという無意味な努力を費やしている。日本のうまいビールをもっとうまくすることに費やすべき貴重な労働力や研究費を、節税商品開発などという無価値なことに費やすべきではない。■消費税は徴税という目的を低コストで達成することを第一とし、貧富の格差是正は低コストで平等な別の方法で実現すべきである。(例えば、全国民に1人あたり月数千円を配布する方が遙かに簡単で平等ではないか。これならば贅沢な食料を買える富裕層の方が減税額が多くなるという逆進性もない。)(2014/07/11)

最後のコメント人。金持ちは10倍の量の食品を食べているのではないのです。10倍の価格の食品を食べているのです。庶民はスーパーで10kgで2680円の米買ってますがネット通販でも3倍以上の価格の米は売ってます。それにあなたの理論だと生活必需品は全て軽減税率にしないといけない。生活必需品もピンキリです。結局高価な品物を買う人が得するんですよ。(2014/07/11)

語るに落ちた。結局軽減税率導入反対は業界の都合でしかない,と言っているように聞こえてしまう。同じ食料品でも,金持ちは貧乏人より高いものを買うから,軽減税率は金持ち減税になってしまい,低所得者対策にならないだって? デマも休み休み言ってほしい。消費税に逆進性があるのは,所得のうち消費に回る割合,とくに生活必需品購入に回る割合が,金持ちより低所得者の方が高いからで,そのことは否定しようがない。人が食べる量は年収が違ってもそうは変わらない。年収2000万円の人が,コメも肉も野菜も,年収200万円の人の10倍以上の値段のものしか買わない,なんてことはありえない。国民をナメるな。(2014/07/10)

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