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「復活へ、今が最後のタイミング」

情報漏洩の発覚前、ベネッセHDの福武總一郎最高顧問が語った胸中

2014年7月17日(木)

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日経ビジネスの単独インタビューで心境を語ったベネッセホールディングスの福武總一郎最高顧問(写真:都築 雅人)

 個人情報漏洩で揺れるベネッセホールディングス。原田泳幸会長兼社長が就任したのに合わせて、創業家の福武總一郎氏が最高顧問となり同社の経営から退いた。日経ビジネス編集部は7月3日、福武氏にインタビューしている。個人情報漏洩はまだ公表されていなかったが、社内では既に調査が始まっていた頃である。

 福武氏は「ベネッセは世界一の会社」と語る。その理由として、育児から教育、介護まで、人生の様々なライフステージごとに「よく生きる」ためのサービスを提供する、ユニークなビジネスモデルを挙げている。ただし、そのビジネスモデルはまだ「種」の段階であり、それを育てるために原田氏をトップに招聘したという。

 それを受けて原田社長は7月2日に開かれた経営方針説明会で、これまでバラバラに展開していたそれぞれの事業を相互に関連づけていく方針を打ち出した。各ブランドに「A Benesse Company」と明記し、ベネッセの1事業であることを明確にする。そして、これまで個別に管理していた顧客情報を、1つのIDに紐付ける「ワンID」構想を表明した。

 ワンID構想とは、いわば1人の個人情報をより深く掘り下げ、それを事業に活用していくことにほかならない。少子化の流れの中で、国内教育事業のマーケットが縮小していくのは避けられない。国内では、顧客の「数」を追うことよりも、同社が抱えている個人情報の「質」を高めることで、顧客ニーズの変化に応じて機動的にサービスを提供しようというわけだ。こうした方向性は、ベネッセのみならず、国内でサービス事業を展開する企業の多くが模索していることでもある。

 ベネッセの情報漏洩は、確認できただけでも760万件、最大では2070万件にも及ぶ可能性がある。ワンIDの入り口ともなる国内教育事業を中心に、これほどの子供の情報が流出したことで、同社の経営には大きな影響が及びそうだ。短期的には新規顧客や見込み客を獲得するための営業活動が自粛に追い込まれているほか、長期的にはワンID構想にブレーキがかかったり、それを支える同社のブランドイメージを毀損したりする懸念もある。

 そうなると、福武氏が目指したベネッセのあるべき姿の実現は遠のく。福武氏はインタビューで、主力事業「進研ゼミ」の会員数が過去2年間で急減していることについて、社内で緊張感が薄らいでいることを理由の1つとして挙げている。そのこと自体を、今回の情報漏洩の原因であると結び付けることはできない。それでも、このインタビューを盛り込んだ記事は、情報漏洩が発生した時、ベネッセがどのような経営状態にあり、社内がどのような雰囲気にあったのかを知る一助となるのではないか。

 奇しくも福武氏は、「グループ全体を立て直すには、今がギリギリのタイミング」と語っていた。進研ゼミの会員減に加え、経営を揺るがすことになった大規模な情報漏洩で、まさにベネッセは復活できるかどうかの瀬戸際に立たされている。インタビューでの福武氏の発言に、編集部の解説を織り込んだ記事の全文を次ページ以降に再掲する(記事は、日経ビジネス7月14日号の時事深層に掲載したものです)。

コメント2件コメント/レビュー

結局守秘義務に対応するカネをけちった結果(概ねどの企業も同じだろうが)と思います。僕も医療の世界にいますが、僕に果たせられた”守秘義務の対価”など病院にし支払う気なんてないもの。守秘義務を忠誠心に押し付けるのは限界があります。罰則と対価が必要です(2014/07/17)

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「「復活へ、今が最後のタイミング」」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

中 尚子

中 尚子(なか・しょうこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞入社後、証券部で食品やガラス、タイヤ、日用品などを担当。財務や法務、株式市場について取材してきた。2013年4月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

結局守秘義務に対応するカネをけちった結果(概ねどの企業も同じだろうが)と思います。僕も医療の世界にいますが、僕に果たせられた”守秘義務の対価”など病院にし支払う気なんてないもの。守秘義務を忠誠心に押し付けるのは限界があります。罰則と対価が必要です(2014/07/17)

日本の実業界は全て経済界と同類、液状に相和すよう取り込まれ同化され去勢されている。企業の経済を担う◯◯ホールディングス化は、オールジャパンチームの歯車の一員として居るは居るのだが、実業の世界の一員である顔も持っていて欲しい。尤もIT業界とそれに連なる情報管理企業をしてインターネット業界と言うならこの業界、十余年前までは虚業と云われ、実業の世界旧守派からは疎んじられさえしたものだ。昨今世情一変、現実にこれがなくては夜も日も明かない状況に整備されるべき立法、行政、加えて司法も亦追いついて行けなくなるのではと危惧する。経済の根幹に斯く実業と虚業が混在しているが、それぞれの役割・分担の住み分けもせずあなた任せが、企業単位では創業者からの次世代引き継ぎの悶着乃至理念の不徹底を生んでいる。作って売るだけの経営をした人が、即その成果物・製品・商品に関連した管理は出来ても、それに絡む情報の管理や顧客の情報管理を含めての経営に長けているかどうか、経営者の使い回しを再考し課題とすべきと思うが如何。(2014/07/17)

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