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消費者に“至福の罠”を仕掛ける加工食品業界の裏側(前編)

  • マイケル・モス

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2014年7月28日(月)

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お菓子を食べはじめたら、途中でやめられなくなり、気づいたら一袋を一気に食べてしまった──。そうした経験は誰にでもある。実は、大手加工食品メーカーは、消費者が自社の食品を買い続けるよう、さまざまなトラップを製品に仕掛けているという。「ニューヨーク・タイムズ」紙記者のマイケル・モス氏は、近著『フードトラップ』で、ライバル企業に打ち勝つため健康をむしばむことを承知で製品を次々と世に送り出す大手加工食品業界の実態を暴いた。著書の舞台は米国だが、登場するのはグローバル企業ばかり。当然、日本も無関係ではいられない。2010年にピュリッツアー賞を受けたこともある敏腕記者モス氏が、米大手加工食品業界の裏側を解説する。

 2008年、イラク戦争やイスラム過激派の取材で中東にいた私に、「ニューヨーク・タイムズ」紙の編集部から連絡があった。加工食品産業について調査してほしい、という依頼だった。

 米国南部、ジョージア州のピーナッツ加工工場で、ずさんな製造管理によって病原菌のサルモネラが混入した。消費者8人が死亡し、体調不良をきたした人は43州で推定1万9000人。同社のピーナッツ原料を使った加工食品は数千にも及び、メーカー各社は商品回収などの対応に追われた。この事態の中で、ひとつの実態が浮き彫りになった。複雑な取引関係と収益に縛られた加工食品業界は、もはや原材料をコントロールしきれなくなっていたのだ。

 ピーナッツの次に私が調査したのはハンバーグ肉だった。大腸菌汚染による食中毒事件が相次いだからである。調べてみると、事態はピーナッツにも増して深刻だった。食肉加工業者は、安い端肉を世界中の食肉処理場から調達し、それらを混ぜ合わせてハンバーグ肉を出荷している。その工程で、消費者を守るために取れる対策が明らかにあるのに、それらは置き去りにされていた。

 しかし私は、加工食品についてさらに目を開かれることになった。ある日、ワシントン州シアトルで知人と夕食を共にした。加工食品分野の情報源として私が特に信頼する一人である。彼はこう言った。

「マイケル、確かに食中毒は痛ましい事件だ。だがそれと同じくらい、人々の健康を脅かしている脅威がある。それは、食品メーカーが意図的に商品に加えているものだ。こちらは、彼らが絶対的な支配権を握っている」

塩分の好みは与えられて根付くもので、乳幼児はその影響を受けやすい(GettyImages)

コメント2件コメント/レビュー

是非とも「やめられないとまらない~」は社会において語っていいのかどうかをですね :-)(2014/07/28)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

是非とも「やめられないとまらない~」は社会において語っていいのかどうかをですね :-)(2014/07/28)

特に米国と一部新興国においては当てはまるかもしれないが、そうなってはいない国も多い以上、問題の根幹は他にある様に思えてならない。あくまで一側面への警鐘とは感じるが。(2014/07/28)

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