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「うちの子、お腹こわしてますんで」の箱入り息子の未来

社会の底が抜けているという話を改めて考えてみる

2014年7月25日(金)

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希望の大学に入って卒業したのですが、就職に失敗。と言ってアルバイトに精を出す気にはなれず、と言って自力で何かを始める自信もなく。私、これからどうしたらいいでしょうか。(20代男性)

 遙から

 興味深い番組を見た。NHKの討論番組だ。現代は驚異的な人手不足の時代だが、人々の実感は「職がない」。この謎かけクイズ、答えられるか。

 答えは意外と簡単だった。人手不足の分野は介護、育児、建築など。職がないのは事務。分野が違った。「発展できる分野で発展したらいいじゃないか」の意見には「いや、もう社会の底が抜けているんだ」。

 底とは、命と生活に直結する大切な分野で低賃金の領域のこと。ここを支えてくれていた人たちが“少子化”で手薄になり、海外から労働力を調達せねばならなくなった。そうなると世界レベルで高齢化問題を抱える国たちの間で介護職外国人の争奪戦がもう始まっている。さあどうするニッポン。

女性登用の御旗は冷え冷え

 女性登用を成長戦略に掲げる政治。女性たちは管理職になる前にまず「子を預けるところがない」から登用の御旗を冷めた目で見ている。じゃあ外国人に介護と育児を頼もう、しかし、移民で? 日本が移民を受け入れられる? じゃあ労働力だけ? だったら厚遇で迎えてくれる国に行くわよ、と外国人介護職たちは鼻息が荒い。子供を預ける前に移民政策をどうするかというこれまた巨大な政治的課題のハードルがあるなら、それが閣議決定する前に子産み期を逃す女性の冷め方たるやハンパない。

 つまり女性登用する前に、子供を預ける場所がなく、子育てしながらできる職がない。なら人手不足分野の介護や育児職を指して女性登用か。言っておくが女性が社会の底を支えていた時代は低賃金どころじゃない。無償だった。オンナは介護と育児、からの解放と自立でキャリアウーマンになったら、生涯独身で少子化の要因となり、あるいは管理職を避けて子育てと両立するか辞職する。

 女性大臣たちの顔ぶれを思い出してほしい。子を持たないか、あるいは不妊治療の高齢出産。女性登用を掲げる政治の職場になぜ女性議員が極端に少ないかがまぎれもない現実を物語る。過去、子供を生んだ女性が少子化対策大臣に起用されたりした。子を産んだ女性より、産めなかった、なぜ産めなかったか、(産みたくなかった、も含め)を体感する女性のほうが少子化対策大臣には適任かと私は思うが。

 子供を預けるところがないのに女性登用。しかし極端な話、女性の選択肢は独身か子育て辞職か。それでどうやって少子化を防ぐか? こっちのクイズのほうがよほど回答が難しい。

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「「うちの子、お腹こわしてますんで」の箱入り息子の未来」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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高齢者に配るお金はあるが、少子化対策のお金はないと言うのは、おかしいでしょう。

小泉 進次郎 衆院議員