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北電と関電、2つの「電気料金値上げ」の裏に隠れているもの

2014年8月4日(月)

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原子力発電所の稼働停止と火力発電の燃料価格高騰で業績悪化が続いた電力会社。中でも厳しい北海道電力と関西電力が、2014年4~6月期決算発表に絡んで、昨年に続く電気料金の再値上げの意向を示した。だが、同様に厳しく見える財務を詳しく分析してみると、そこに置かれた状況の厳しさの違いも垣間見える。

 2つの「値上げ」の裏には隠れているものがあるはずだ。

 峠を越えた2014年4~6月期の「決算発表」の中で、北海道電力と関西電力ほど注目を集めたものはなかっただろう。北電は7月30日に予定していた決算発表を前日になって突然延期。同社は「決算のとりまとめが遅れているため」としたが、実際は昨年9月に続く電気料金の値上げを経済産業省に申請しようとしており、その値上げ幅を巡る調整が影響したと見られる。

 一方、関電は同日、決算発表こそ予定通り行ったものの、連結最終損益は290億円の赤字。記者会見で八木誠社長は「大変厳しい決算。再値上げを具体的に検討することもないわけではない」と述べた。

 原子力発電の再稼働がなく、火力発電の燃料である原油やLNG(液化天然ガス)価格の上昇が円安と共に重なって、電力会社が厳しい業績に陥ってきたのは知られる通り。電力10社のうち、この両社と中部電力、四国電力、九州電力の5社が前期まで3期連続、中国電力も2期連続の連結最終赤字に喘いできた。

 今期は、大半の会社が2011年3月の東日本大震災後に行った電気料金値上げと、修繕費などの徹底した先送りの効果で、黒字に浮上するところも出てくるが、持続性は疑わしい。原発再稼働が見通しにくい上に、経費の先送りには限界があるからだ。北電と関電は、この中でもとりわけ業績が厳しい2社である。

北電の自己資本比率はわずか5.4%に

 だが、実現すれば関電で昨年4、5月、北電は昨年9月以来となる再値上げの動きの裏には、もう1つ別の要因が隠れているように思える。繰り延べ税金資産である。

 繰り延べ税金資産とは、税務と会計の違いから発生するもので、将来の課税所得(税法上の利益)から発生する税金を減らす効果があるもの。例えば、売掛金が回収できないような場合に備えてあらかじめ積む貸し倒れ引当金は、会計上は費用になるため、その期の利益を減らす。しかし、税法では損金にならないため、課税所得が多くなり、会計上の利益で計算する場合より税額が増えることになる。

 その税額が多くなっている部分はいわば税金の前払いのようなもの。貸し倒れ引当金で言えば、将来実際に貸し倒れ損が発生した際に税務上も損金になり税金を減らすことになるからだ。繰り越し欠損金などにも同様の効果がある。

 ただし、繰り延べ税金資産を計上できるのは、将来の利益が見込める場合だけ。業績が低迷し、将来も利益が見通しにくくなると、既に計上している繰り延べ税金資産を取り崩さねばならなくなり、自己資本を毀損することになるのである。

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「北電と関電、2つの「電気料金値上げ」の裏に隠れているもの」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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