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実現なるか! 宇宙太陽光発電システム

宇宙で発電し、無線で地上に伝送

2014年8月18日(月)

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現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が中心となり、産学官連携で研究開発が進められているのが、「宇宙太陽光発電システム(SSPS=Space Solar Power Systems)」だ。目標は、同システムを実現して、宇宙技術でエネルギー分野に貢献すること。JAXAの研究開発本部・未踏技術研究センターの上土井大助開発員に話を伺った。

 「壮大な計画であり、確かに実現までの道のりは長いです。しかし、諦めたらそこで終わってしまいます。ここは粘り強く、夢に向かって1歩1歩進んでいくしかありません」

 強い決意でこう語るのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発本部・未踏技術研究センターの上土井大助開発員だ。

 現在、上土井氏らが取り組んでいるのが、「宇宙太陽光発電システム(SSPS=Space Solar Power Systems)」の開発だ。実現すれば、将来のエネルギー供給を担うインフラとなる可能性を持っていることから、2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」や2013年1月に内閣の宇宙開発戦略本部が決定した「宇宙基本計画」にも掲げられるなど、国の施策として推進している。

宇宙太陽光発電システム(イメージ図)(出典:JAXA)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発本部・未踏技術研究センターの上土井大助開発員

世界トップクラスに位置している日本

 宇宙太陽光発電システムとは、その名の通り、宇宙空間で太陽光発電を行い、その電力をマイクロ波やレーザー光に変換して無線で地上に伝送し、それを地上で受けて電力に変換して利用するという発電システムのことだ。

 SF映画の世界のような話だが、実はその歴史は古く、1968年にさかのぼる。米国の宇宙工学者、ピーター・グレーザー氏が提唱したのが始まりだ。エネルギーを無線で送る原理はすでに実証されており、現在、日本はこの分野で世界をリードしている。

宇宙太陽光発電システムのイメージ図。2000年代にJAXAが中心となって検討したコンセプトは、2枚の反射鏡と太陽電池及びマイクロ波送電装置からなる (出典:JAXA)

JAXAに置かれている宇宙太陽光発電システムの模型。向かって左のオレンジ色の丸いものが太陽で、地球の周りを回っているのが「宇宙太陽光発電衛星」のイメージだ

 地上とは異なり宇宙空間には昼夜がなく、天候にも左右されないので、自然エネルギーであっても、24時間発電が可能だ。しかも、宇宙には大気がないので、光の散乱や吸収がない。そのため、太陽光パネルに当たる太陽光のエネルギーは、地上の5~10倍にも上る。

 将来の技術を考慮し、宇宙から地上に伝送する際に生じるエネルギー変換ロスを約50%と見積もった場合、太陽光パネルの単位面積当たりの発電量は、地上の2.5~5倍になる計算だ。それゆえ、特に2011年3月11日の東日本大震災以降、日本では、原子力発電や火力発電に代わるベースロード電源となり得る自然エネルギーとして、にわかに期待が高まっているのだ。

 「現在、国の施策として、宇宙太陽光発電システムを掲げ、計画を立てて産学官が連携して研究開発に取り組んでいるのは、世界の中で日本だけ。米国政府などは、財政上の問題や政策上の方針などにより、国としての継続的な研究は行っていないという状況です。それゆえ、日本の宇宙太陽光発電システムに関する技術レベルは、世界トップクラスに位置していると言われています。宇宙太陽光発電システムの一研究者として、人類のエネルギー問題の解決に貢献できる可能性を秘めた有意義な研究であると信じていますので、ここは世界に先駆け、1日も早い実現を目指したいところです」。上土井氏は意気込みをこう語る。

 夢は、宇宙太陽光発電システムを実現して、宇宙技術でエネルギー分野に貢献することだ。

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「実現なるか! 宇宙太陽光発電システム」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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