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「地域包括ケア・コンパクトシティ」構想の課題

果敢に集中と選択をしない限り、日本に未来はない

2014年9月4日(木)

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 「地域包括ケア・コンパクトシティによる財政効率は約2200億円か」などの回で、「地域包括ケア・コンパクトシティ」構想を提唱した。これは「地域包括ケアシステム」と人口集約を図る「コンパクトシティ」とを融合するもの。人口減少・超高齢化が急速に進む日本において、「財政問題」「急増する都市部高齢者問題」「消滅の危機に直面する自治体問題」といった3つの問題に対応するための措置だ。

 「地域包括ケア・コンパクトシティ」を推進するための財源スキーム案や推進した場合の財政面の効果(人口集約によるコスト節減効果)についても説明した。粗々の試算では、「地域包括ケア・コンパクトシティ」を推進するために想定した年金給付1%削減(=約5000億円)で調達した財源のうち、半分を節減できる可能性を示した。コンパクトシティ化を進め、人口を集約することで、この効果が発生する。

 また、「急増する都市部高齢者の介護ニーズにどう対処するか」の回では、「地域包括ケア・コンパクトシティ」を郊外で推進する際にカギを握る都市部と地方の連携の重要性や課題を説明した。郊外で推進することで、建設コストを引き下げることができる。

介護施設を効率的に供給するためには場所選びが大切

 ところで、「地域包括ケア・コンパクトシティ」を推進するに当たって、上記のほかにも、3つの課題が存在すると考えられる。3つの課題とは、「空間選択の重要性」「時間軸の重要性」「コンパクトシティ推進施策の総合調整と拡充」である。以下、簡単に説明しよう。

 まず「空間選択の重要性」である。「国土のグランドデザイン2050」は、次の2つの可能性を示している。「2050年の人口が2010年と比較して半分以下となる地点が現在の居住地域の6割以上となる」と、「現人口が10万人未満の市町村は全国平均の減少率(約24%)を上回るスピードで人口が減少する」だ。投資の視点から見た場合、このような空間に多くの介護施設を供給するのは非効率でリスクが高い。

 また、同参考資料によると、対家計サービスの施設(例:コンビニ、百貨店、総合スーパー、スターバックス)が立地する確率が80%以上となる自治体の人口規模は約30万人以上だ。医療・福祉サービスの施設が立地する確率が80%以上となる人口規模も約5万人以上とある(参考資料=リンク先のスライド番号35)。このため、投資の視点から介護施設の供給を効率的に行うためには、40年後の2050年も、このような人口規模を有する地域に立地するのが望ましい。

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「「地域包括ケア・コンパクトシティ」構想の課題」の著者

小黒 一正

小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

法政大学経済学部教授

1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。専門は公共経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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