• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「生涯働く」と腹をくくった女の選択

「3割」の差を埋めるには「30倍」が必要だ

2014年8月22日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ご相談

女性登用が盛んに謳われていますが、いまいちどこまで定着するか確信が持てず、部員の処遇などで思い切った施策へ踏み出せないでいます。(40代男性)

 遙から

 おっしゃるとおり。

 女性登用、女性活用とニュースで聞く。厚生労働省の発表による男女の賃金格差は、平成22年において一般労働者の女性が男性の69.3%。先進諸外国と比較すると、その格差は依然として大きい状況だとある。女性の賃金は男性の約7割。さあこれを多いととるか少ないととるか。

 この数字は芸能界でいうと例えやすい。多くの芸能人はプロダクションに所属する。事務所の取り分が3割、タレントの取り分が7割、というのは良心的なプロダクションではよくある分配率だ。

マイナス3割が、太陽を奪う

 だが「あの3割が自分の収入になれば」と思うタレントは、力がついた時に独立したりする。事務所と厚い信頼関係があれば別だが。3割というのは独立をうながす契機になるほどの数字ということだ。この格差はだから、大きい、というのが私の持論。

 3割というのは「ばかばかしい」と事務所を辞める動機にもなり、男女問わず働く側のモチベーションを左右する立派な数字ということが、芸能界の人の動向を眺めていると透けて見える。2割の事務所取り分でも、「私の営業で取ってきた仕事なのに、なんで2割も搾取するわけ? 所属している意味がない」と辞めた同業者もいる。

 実際、「同じだけ働いてなんで3割低いわけ?」と職場から去る女性の気持ちが、芸能界だとよく理解できる。芸能界は収入の個人格差が極端にあるがゆえに、男女の賃金格差を問われることはない。皮肉にもプロダクションという共通体験によって、男女共に、3割という数字のもつ厳しさだけは共有できるリアリティがある。

 つまりこの社会は、女性のやる気をむちゃくちゃ挫く、ということが言いたい。

 それでも根性ある女性は働き続ける。すると将来どういう格差が男女に出るか。

 結論から言おう。住むマンションに、出る。

 私は今、単身専用賃貸マンションに住んでいる。すると不思議な法則に気づいた。エレベーターを降りると、ほとんどの女性は通路右側のドアに向かう。そしてほとんどの男性は左側のドアに向かう。ここに賃金格差のリアリティが見える。

 右側の物件は北向きで家賃が安く、左側の物件は南向きで家賃が高い。また、左側の物件は多くが企業契約しており、企業に勤める男性がその住民だということだ。

 女性は多業種に分かれ、“企業”の枠組みにひとくくりにできない。ホステスだとおぼしき女性も住んでいる。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

一覧

「「生涯働く」と腹をくくった女の選択」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

韓国がダメでも、日本なら技術を見る「目」が投資家にあるはずだ。

崔 元根 ダブル・スコープ社長