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「ブランド王」が語るニッポンの購買力

取り崩される家庭の「タンス鉱山」

2014年8月21日(木)

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 「消費税の話なんか、小さい小さい」

 鮮やかなオレンジのネクタイに、大きめのメガネ。そしてなんと言っても特徴的な、前髪が前方に大きく張り出したリーゼント。「ブランド王」との異名をとる、ロイヤルシステム(東京都新宿区)の森田勉社長は取材が始まるとすぐ、そう切り出した。7月、消費税率引き上げ後の消費動向を調べるため、高級ブランドの買い取り・販売状況を聞こうとした時のことだ。

 「増税の影響で言えば、確かに3月は駆け込み特需があった。その影響で4、5月は若干減ったかな。でも、それは日本人に関して、ってことだ。言ってること分かる? 日本人が買うのは確かに減ってるけどさ、それを補って余りあるくらいに、海外から来てるよ。特に中国。だから消費増税の影響なんて、小さい話なんだ」

外国人への売り上げが1.5倍に

 聞けば、アジア域内からの団体観光客や、バイヤーなどに対する販売額がこの1年ほどで以前の1.5倍ほどに拡大しているという。日本人客への販売は減少傾向と言うが、日本人の減少分の倍以上、海外客が買っていくらしい。おかげで事業は好調そのものだという。

 好調な理由はそうした旺盛な海外の需要のほかに、もう一つある。同社にすれば「仕入れ」に当たる、高級ブランドや貴金属類の中古品買い取りが容易になっていることだ。

 「黙っていてもどんどん日本人が売りに来る。今まで出てきにくかった状態のいいエルメスのバーキンや、金の延べ棒なんてものまで出てくる。昔は海外を飛び回って仕入れていたから、当時に比べたら金も時間も節約できて大助かりだ」

 バブル時代などに高額品を買い漁った日本の家庭には、貴金属やブランド品といった現物資産が、数十兆円あるとされる。森田社長によればこの数年、国内でそうした「タンス鉱山」の取り崩しペースが速まっているのだという。

 日本人が所有していた中古品は年数が経っていても状態がいいものが多く、また偽物が少ないと定評がある。それを狙って、アジア各地からバイヤーが押し寄せているという構図だ。

 アベノミクス効果で国内の景気改善が取り沙汰されるようになってからも、こうした傾向は変わらない。むしろ訪日客の拡大政策で需要が強まっていることを好機と見た日本人が、一段とタンス鉱山の現金化に励んでいるとする。

 「好景気で高額品が売れてるとか言われるけど、一時のものだね。株で儲けたごく一部の人だけのこと。多くの日本人には関係なくて、持っているものを売らないと、欲しいものも買えない。それが現実。日本人が高級ブランドを買いまくるなんてことは、もうないと思っている」

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「「ブランド王」が語るニッポンの購買力」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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