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グーグルを叩いても、「忘れられる権利」は守れない

ECJの判断では、問題は解決しない

2014年8月27日(水)

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 欧州司法裁判所(ECJ)はこのほど、グーグルに対し、個人が申し入れる検索結果からの削除要請――「忘れられる権利」として知られる――は受け入れなければならないとの裁定を下した。しかし、この裁定は、デジタル時代に見られる、より不幸な局面のひとつに対処しようという実に的外れな試みだ。

 確かに、デジタル技術は多くのすばらしい進歩をもたらしてきたが、問題も生じさせている。中でもデジタルデータの存続特性、つまりデジタル形式の情報にはその精度にかかわらず非常に長期間にわたって存続する傾向があることは、最も深刻な問題のひとつである。

 アナログ時代には、電話帳に掲載された番号が間違っていると電話を受けられなかったり間違い電話になってしまったりするが、このようなことは翌年新しい電話帳が発行されれば解消されていた。しかし、デジタル時代になってから、誤った情報は何度も繰り返され、最初の間違いからかなりの時間が経ってもそのまま現れることが多くなった。

 デジタル技術は、他人が私たちに関して犯した間違いを継続させる可能性がある一方で、私たち自身が犯した間違いについても同様の影響を及ぼす。

 例えば、若者というものは、常々たわいもないようなことに夢中になるものだ。時にはそのたわいもないことが、自らのデジタル写真の撮影だったりする。だがこれらの写真は、数年、いや数十年経って、デジタル写真の撮影がもはやそれほど面白くなくなった頃に再浮上してくることがある。

 しかしグーグルを標的にすることでこうした問題に対処しようとする取り組みは、いくつかの点で不完全である。まず、とりわけ欧州においてはグーグルが便利なスケープゴートかも知れないが、米国のこの検索大手は「忘れられる権利」を脅かすデジタルデータソースとして、決して唯一の存在ではない。

 (グーグルを標的にして削除させたところで)例えば政府の記録、オンラインの新聞記事、ソーシャルメディア、それにほかの検索エンジンにも、情報は存在し続けている。他の主要な情報源を野放しにしたままグーグルを制限しても全体的な問題にはほぼ効果がない。

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「グーグルを叩いても、「忘れられる権利」は守れない」の著者

C・タッカー

C・タッカー(きゃさりん・たっかー)

米MIT教授

1999年、英オックスフォード大学卒業、2005年、米スタンフォード大学で経済学博士号(Ph.D.)取得。2012年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長