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ビッグデータでゲームは作れない

ネクソンのオーウェン・マホニー社長インタビュー

2014年8月29日(金)

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 パソコンからスマートフォン、タブレットまで幅広くオンラインゲームを展開するネクソン。オンラインゲームが盛んな韓国で生まれながら、本社を日本に構え、日本で上場している企業だ。現在、中国、韓国、日本、米国などでゲーム事業を展開している。2014年度上半期の売上高は前年同期比4%増の844億円、営業利益は前年同期比9%減の311億円。四半期利益は前年同期比24%減の202億円となった。今年3月に社長のバトンを受け取ったオーウェン・マホニー社長に戦略を聞いた。(聞き手は原 隆)
ネクソン社長のオーウェン・マホニー氏(撮影:陶山 勉)

3月に社長に就任して約半年が経過した。どのような改革を進めているのか。

 その話をする前に、まず、2013年から2014年にかけてこの業界に起きた変化について触れざるを得ない。ネクソンという会社の方向性は、業界の動向と深く結びついているからだ。

 結論から言えば、ゲーム業界はこの数年間、世界的に悪い方向に進んでいた。全体的な風潮として、課金こそがすべてにおいて優先され、流行したスタイルを他社が一斉に真似し合い、ゲームの濫造が至る所で展開されていた。

 その結果、ゲーム業界は何を失ったか。「品質」だ。これは当然の結末だ。開発スピードが重視され、品質は二の次とされていたからだ。

 私はその惨状をとても残念に見ていた。宮本茂氏(マリオシリーズやドンキーコングの生みの親)をはじめとする私にとっての憧れの存在である人々は、ゲーム好きが心から楽しいと思うゲームを創り、世に送り出してきた。作り手自身、何よりもゲームに対する情熱を持ち、そして生み出された作品の数々は、どれもその素晴らしさを明確に説明できるものばかりだった。彼らはゲームを小説や映画のようなクリエーティブなアートの一種として認識しており、私も同様に思っていた。

 私はこの業界に14年身を置き、複数のM&Aを手がけてきた。その中で成功する会社もあれば、衰退していく会社もあった。明確だったのは成功するゲーム会社はいつもクリエーティブな人材によって率いられており、ゲームのことを第一義に考える集団だったということだ。

 だからこそ、私は世界中にあるネクソンの開発陣に対して、ゲームの濫造、他社のゲームの模倣をせず、自分たちが本当に面白いと感じるものを世に生み出すために邁進してほしいとメッセージを伝えている。2013年は我が社も含め、ゲーム本数をいかに多く提供するかに目が奪われてしまっていた。業界の一員として、大義から遠ざかってしまっていたことを遺憾に思う。

 組織改変に着手しているわけではない。私を含めたマネジメントチーム、クリエーターにとって魅力的だと思わないゲーム開発に人材と資金と時間というリソースを割くことを止め、開発案件を絞り、自信を持って世の中に送り出せる作品に再配分した。

ネクソンはパソコン向けオンラインゲームから始まり、今ではスマートフォン向けのゲームなど多岐にそのプラットフォームを広げている。今後のビジョンについて伺いたい。

 我々はゲーム会社であり、クリエーティブな事業をビジネスの根幹に据えている。現在、注力しているのはFree to Play(基本プレーは無料)型のゲームで、これは我々にとって最も強みのジャンル。既に多くのユーザーに支持していただいている。

 我々が目指したい企業像に近いのは米ピクサー・アニメーション・スタジオであり、任天堂だ。ピクサーは高い技術力に定評のある会社だが、本質的にはクリエーティブな作品を送り出す会社だ。任天堂もしかり。両社とも、時代や業界は異なるものの、1990年台半ばから2000年台半ばにかけて、任天堂はビデオゲームやコンソール(据え置き型)ゲームのパイオニアとして、品質こそが最も重要であると信じて疑わなかった会社だ。我々もFree to Playのゲームにおいて、同様の意識を持っている。

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「ビッグデータでゲームは作れない」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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