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ジワリと広がる「明るい賃上げ」

製造請負大手nmsは既に2割の賃上げに成功

2014年9月9日(火)

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過酷な勤務実態が批判を浴びて人手不足に陥った牛丼チェーン「すき家」。ピーク時には全国で約200店が営業休止に追い込まれた(写真:大槻純一)

 厚生労働省は8月28日、2014年度の最低賃金が全国平均で時給780円になったと発表した。同省の中央最低賃金審議会の答申を受けたもので、引き上げ幅は16円と過去20年の中で2番目の大きさとなった。

 この数値を見てどのような印象を持つかは、その人の働いているポジションによって大きく変わってくる。

 大企業に勤める多くの人にとっては「よく分からない」というのが正直な感想だろう。ホワイトカラーとして働く人の給与は、時給換算すると1000円を優に超えている場合がほとんど。外食業界や工場で非正規社員と働く人の約7%が最低賃金で働いているので決して少なくない数ではあるのだが、自分の周囲にそのような境遇で働く人がいなければ実感が湧かないのも無理はない。

 「もっと賃上げしてあげたらいいのに・・・」と殊勝な考えを持つ人もいるかもしれない。アベノミクスの影響で物価はジワジワと上昇しており、今年4月の消費増税後は日々の出費は確実に増えている。デフレ経済の脱却を確実にするためにも、消費者である労働者の賃金を引き上げることは理に適っている。

 一方、経営層に属する人は眉間にシワを寄せたかもしれない。大企業では景況感は徐々に改善しているものの、業績の回復が遅れている中小企業からすれば値上げ余力が乏しいのが実態だ。厚労省の中央最低賃金審議会でも、中小企業の代表が最低賃金の引き上げに強く反対したため最終的な結論を出すまでに議論は20時間を越えたという。

三大都市圏では13カ月連続でプラス

 現場の置かれた状況はもっとシビアだ。深刻な人手不足により、最低賃金で募集をかけても必要な数の人材が集まることはほとんどなくなってきているからだ。

 リクルートジョブズによるとアルバイト・パート募集時平均時給は、三大都市圏(首都圏・関西・東海)で2014年7月に956円となった。13カ月連続で前年同月比を越えており、最低賃金を大きく上回っている。中でも首都圏の平均時給は993円と1000円の大台を超える日がやって来るのも時間の問題だろう(ちなみに東京都の最低賃金は888円と全国トップ)。もはや都市部では最低賃金の引き上げの影響はかなり低くなっているのが実情だ。

大手居酒屋チェーン「わたみん家」の人材募集チラシ(写真は今年5月時点、東京都内)。最低賃金を大きく上回る水準の時給を掲げ、人手を集めようと必死だ

 個人的には、この「人手が集まらないから(しょうがなく)賃上げする」という流れに違和感を抱いている。人件費を「コスト」としてしか捉えておらず、このような企業は景気が悪化すれば真っ先に賃下げに走るだろう。そのくせ、こうした会社の人に限って「なかなか客単価が上げられない」とか「自社の製品の付加価値が理解して貰えない」と嘆いたりする。

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「ジワリと広がる「明るい賃上げ」」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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