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「NATOが軍事オプション採用は大転換」だが…

ロシアの試みは冷戦後の新秩序への挑戦

2014年9月10日(水)

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 NATO(北大西洋条約機構)が9月4~5日に首脳会議を開催し、ウクライナ問題への対応を協議。即応部隊の設置を決めた。

 東京外国語大学国際関係研究所の渡邊啓貴所長はこれを「これまで避けてきた軍事オプションへの大きな転換」と評価する。

 ただし、その一方で、ロシアのプーチン大統領に対する、形を伴った強いメッセージにはなっていないと指摘する。

 NATO首脳会議、そして同じく5日に対ロ制裁を決定したEU(欧州連合)の取り組みについて、渡邊所長の見立てと今後の展望を聞いた。

(聞き手は森 永輔)

NATOが首脳会議を開き、即応部隊の創設と軍事費の増額を決めました。即応部隊は、最短2日で数千人規模の兵力を動員できる体制を作る構想です 。軍事費は、加盟各国の軍事費をそれぞれのGDP(国内総生産)比2%に今後10年かけて引き上げるもの。2%は既に定められている数値ですが、達成している国は米英など一部に限られている状態です。これらをどう評価しますか。

渡邊 啓貴(わたなべ・ひろたか)氏
東京外国語大学教授。国際関係研究所所長。
1954年生まれ。同大学外国語学部フランス語学科卒業。同大学院地域研究科修士課程および慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。パリ第1大学大学院博士課程修了。パリ高等研究院・リヨン高等師範大学院客員教授、ジョージ・ワシントン大学シグールセンター客員教授などを歴任。近著に『シャルル・ドゴール 民主主義の中のリーダーシップへの苦闘』

渡邊:これまで軍事オプションを控えてきたNATOがこれに踏み込みました。大きな転換だと思います。ただし、その実効性は高いとは言えません。プーチン大統領に対して「もうこれ以上は許さない」という強いメッセージになっているかという観点で測ると50~60点というところでしょうか。

 ウクライナ問題の発端は、ウクライナとEUが連合協定を結ぼうとしたことにあります。ロシアは、かつてのソ連構成国で自国の勢力下にあったウクライナがEUに加わろうとする動きを阻止したかった。EU加盟の先には、軍事同盟であるNATOへの加盟が土俵に上ってきます。ロシアは当然、これを警戒します。だからこそ、NATOは表だって行動することを避けてきました。この方針を転換したわけです。

 即応部隊は、数百人を集めて形を作ることはすぐにでもできるでしょう。しかし、本格的なものにするのは10年後という構想です。しかも、予算が限られている。現在のNATOの総予算は9000億ドルと言われています。しかし、この4分の3は米国が負担しています。欧州が負担しているのは2000億ドル程度しかありません。加盟国の6割は2012年以降、軍事費を減らしています。GDP比2%を実現する目標を掲げましたが、NATOの歴史を振り返ると、こうした約束が守られたためしがありません。

9月5日にウクライナ政府と親ロ派武装勢力が停戦協定を結びました。これをどう評価しますか。

渡邊:停戦の覚書に盛り込まれた内容は、親ロ派武装勢力の主張にかなり沿ったものだと思います。同意した12項目の1つに、ドネツク、ルガンスク「両州の特定地域に『特別な地位』を与え暫定的自治権を付与する法律を制定」(日経新聞9月8日付)とあります。これは、両州が今後分離され、ロシアが編入することに含みを残すものです。

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「「NATOが軍事オプション採用は大転換」だが…」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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