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スコットランド、賛成派を襲った2つの誤算

「否決」に終わった世紀の独立劇

2014年9月19日(金)

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独立反対が確定的になり、肩を落とす賛成支持者(ロイター/アフロ)

 運命の9月18日、最後に笑ったのは独立反対派だった。

 英国のみならず、世界が注目したスコットランド独立を巡る国民投票。19日午前に判明した最終結果は、反対55.3%(200万1926票)、賛成44.7%(161万7989票)となり、独立反対派が上回った。投票率は過去最高の84.59%を記録。2年に及んだ英国北部の独立劇は、ひとまず幕を閉じることになる。

 18日午後10時に締め切られた投票は、当初独立派優勢のムードが圧倒的だった。32の地区に分けて実施された各地の投票所でも、目立ったのは「YES」の3文字。19日明け方にも判明する世紀の瞬間を、スコットランド住民の多くが固唾を飲んで見守っていた。

 ところが、独立派の表情は、時間を追うごとに険しくなっていく。独立派優勢と見られていた地方地区でも予想外の「反対派勝利」の結果が続出。独立賛成運動に参加していたエディンバラ大学の19歳の学生は、「結果は結果。悔しいが受け入れるしかない」と肩を落とした。投票日の2日前、「勝利を確信している」と目を輝かせて記者に話していた様子との落差が、落胆ぶりの大きさを物語っていた。

 それは、独立運動を主導したスコットランド国民党のアレックス・サモンド党首も同じだろう。「スコットランド人の下した評決を受け入れる」。大勢が判明した9月19日午前、サモンド党首は集まった支持者に対して淡々と述べた。

 対照的に、反対派の表情は結果が判明するにつれて歓喜を帯びたものに変わっていった。独立を阻止したデビッド・キャメロン首相も19日早朝に会見し、「議論は終わった。今後はイギリス全体のために、よりよい未来を作っていこう」と語った。

 通貨、国防、資源、EU(欧州連合)加盟から国旗のデザインまで、スコットランド独立によって大混乱が必至といわれた様々な懸案事項も、ひとまずは杞憂に終わった。為替市場も結果に敏感に反応。各地区で独立反対派の優勢が伝えられた19日未明から、通貨ポンドはドルに対して急騰した。

コメント2件コメント/レビュー

スコットランドの歴史などを深く存じているわけではありませんので明言は避けたいところですが、今回の独立運動は「祭り」でしかなかったな、という印象です。本当に独立を目指すのであれば、少なくとも通貨の問題は解決しておかなければ話になりませんし、経済を始め国家体としてどのような国を目指すのかが不明瞭なまま勢いで選挙をはじめてしまった印象があります。歴史的な問題もありますが、独立運動を起こせば利益を得られるかもしれないという期待感を与えてしまったことも個人的には問題かと思っています。また、独立を推進した人々の裏側がイマイチはっきりしないのも不安を覚えるところです。当然、都市部では今までの信用やインフラをそのまま利用できなくなる可能性がある方がデメリットとなるでしょう。恐らく、スコットランドの中でも、土地を所有している田舎の人(要するに資源が手に入る可能性がある)たちと、都市部のサラリーマンでは意見が異なるのも当然であると思います。誤算というよりは、冷静な人たちが独立反対に動くのは当然の結果だったかもしれません。(2014/09/22)

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「スコットランド、賛成派を襲った2つの誤算」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

スコットランドの歴史などを深く存じているわけではありませんので明言は避けたいところですが、今回の独立運動は「祭り」でしかなかったな、という印象です。本当に独立を目指すのであれば、少なくとも通貨の問題は解決しておかなければ話になりませんし、経済を始め国家体としてどのような国を目指すのかが不明瞭なまま勢いで選挙をはじめてしまった印象があります。歴史的な問題もありますが、独立運動を起こせば利益を得られるかもしれないという期待感を与えてしまったことも個人的には問題かと思っています。また、独立を推進した人々の裏側がイマイチはっきりしないのも不安を覚えるところです。当然、都市部では今までの信用やインフラをそのまま利用できなくなる可能性がある方がデメリットとなるでしょう。恐らく、スコットランドの中でも、土地を所有している田舎の人(要するに資源が手に入る可能性がある)たちと、都市部のサラリーマンでは意見が異なるのも当然であると思います。誤算というよりは、冷静な人たちが独立反対に動くのは当然の結果だったかもしれません。(2014/09/22)

300年前連合成った王国が300年を経て独立するかどうかの今、イスラム國を掲げられている今、ウクライナ國の東部地域やクリミア半島の今等々を見聞きするにつけて21世紀初頭の特徴は、何をもって後世に語り継がられるのだろうか。20世紀は戦争で括ったが、引き続き今世紀に引きずって行くのか。昨今疫病エボラ熱に戦争による貧困と難民問題は、機会ある毎に喫緊の大問題とされながら、そのプライオリティは低いとでも言うのだろうか。人道と戦争を対極することが戦争と平和を対照対比するより先になければならない。このことは、厳然としてある科学の領域に、人智の分野の技術が土足で押し入ればどうなるか、だからこそそこに人間の拠って立つ社会のあり方を考えさせられるが故に、コモンの発生時代の一地域ではなく、また世界がグローバルになったから複雑になった等の泣き言を言わず、社会の知見を網羅したものも容れて考えねばならない。先進國だ後進國だ発展途上國だ連合だも空虚に響く。戦争も見かたでは、代理戦争の時代を経て進化?外国人部隊は死語になり、自国人部隊が敵味方で戦争の態では勝者も敗者もない、正に不毛の闘いである。グローバル世界観はどうあれ、共通項は富の分配について回る平等・不平等が根源的であり、スコットランド独立・独立反対の國民投票はこの時代に生きている私にとって、覚醒のエポックメイクであったと言える。(2014/09/20)

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