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ノーベル賞受賞、「青色LED」の産官学モデルがうまくいった理由

2014年10月7日(火)

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 スウェーデンの王立科学アカデミーは7日、2014年のノーベル物理学賞を、青色発光ダイオード(LED)の開発に貢献した赤崎勇・名城大学教授と天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大学教授の3人に授与すると発表した。

 戦後最大の成功モデル。

 青色LEDの開発は、国内の科学技術政策担当者や大学関係者からこう評されている。それは単に照明、携帯電話やテレビのバックライト、信号機といった応用分野の広さだけが理由ではない。大学の基礎研究で生まれた技術シーズを国内の企業に移転し、産業化に結びつけた「お手本」のような事例だからだ。

過去最大の特許実施収入

 総額56億円。中央官庁が産業育成などを議論する場で度々登場するこの数字は、青色LEDの基礎研究に関わる赤崎氏の特許から、同氏がかつて所属した名古屋大を含む国が得た実施料収入を示している。調査が行われた2006年時点で、国有特許の実施料収入の実に約9割を青色LEDが占めていた計算になる。その恩恵にあずかる名古屋大もまた、国内大学の特許収入ランキングで長くダントツの首位に立ってきた。

 ここで1つ注意が必要なのは、赤崎氏の特許に絡んで国に入った実施料収入の大半は、豊田合成による製品化によって得られた資金である点だ。現在、LED素子メーカーとして最大手の日亜化学工業は中村氏の開発した基礎技術をもとに実用化を進めており、国に特許収入は入っていない。

 とはいえ、いずれにしても、国や大学が主導する研究において、単一のテーマでここまで大きな特許収入が得られた事例はこれまでにない。

 もちろん、国の研究開発において、特許収入だけが重要であるわけではない。しかし、その金額が、基礎研究が実際に社会の役に立ったことを示す端的な指標であることは確かだ。知的財産から大きな資金が生まれれば、それは次世代の研究開発の原資ともなる。

 青色LEDが成功モデルになりえた要因はいくつかある。第1に、海外勢を含め多くの競合する研究者や企業が開発を断念するなか、国内のメーカーや大学研究者が粘り強く研究を続けたこと。LEDでは、光の三原色のうち赤や緑は1960年代にできたが、残る青色で赤崎氏らが初めて成功したのは、それから20年以上を経た1989年のことだ。

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「ノーベル賞受賞、「青色LED」の産官学モデルがうまくいった理由」の著者

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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