• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

フードな社会問題

食は社会問題を分析する切り口

2014年11月4日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 筆者がここ最近で気になった書籍タイトルの1つに「フード左翼とフード右翼」(速水健朗著/朝日新聞出版/2014年2月)があります。筆者は本書をまだすべて読み終えていないので、内容の詳細については承知していません。ただ序章などを読んだ限り、副題である「食で分断される日本人」という分析が、本書の最大の主張であるように思いました。

 食による分断とは、つまりはこういうことです。今の日本社会には、食の好みを軸に二極化したマーケットが存在するといいます。すなわち「自然志向、健康志向の『地産地消』『スローフード』的な方向と、『メガマック』『メガ牛丼』といった『下流』に向かう方向との二極分化だ」(同書より引用)というのです。これを同書では「フード左翼」と「フード右翼」と呼んでいました。

 そしてこの分類が、実は政治意識の違いにも結びついているのではと、論考を進めていきます(注:ただし著者の清水氏は、従来的な左翼・右翼の実態とは結びつかない要素もあるとしている)。

 この論考の妥当性については、筆者の分析・見解を述べないことにします(なにしろまだ同書を全部読んでいません)。ただ1つ興味深く思ったのは「フード◯◯と名づけた概念で、社会の政治意識を分析する」という同書の手法でした。この方法が成立するのだとしたら、広く社会問題を分析するのにも「食」という切り口が使えるかもしれません。

 そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は「フードな社会問題」と題して、社会問題に関係のあるフードワードの数々を紹介することにしましょう。なお本稿では、フード◯◯、◯◯フードという語形の言葉を便宜的にフードワードと呼ぶことにします。紹介する数々のフードワードを通じて「食に関係する社会問題」をじっくり探ってみましょう。

情報消費のフードワード

 食と流行は密接な関係にあります。本コラムでも「ポスト・パンケーキの大辞典」のように「最近、こんな食べ物が流行っている」という話題をよく取り上げています。

 そんな食の流行を表すキーワードに「ファッションフード」があります。現代用語の基礎知識(自由国民社)では(筆者が調べた範囲で)1991年版の掲載が最古でした。近年では食文化史研究家の畑中三応子(はたなかみおこ)氏が著書のタイトルに用いた事例が有名です。「ファッションフード、あります。~はやりの食べ物クロニクル~」(紀伊國屋書店/2013年3月)のことです。

 同書は「1970年代以降、食が『情報消費』としての姿も持ち始めた」と分析しています。例えば1970年代に大流行した紅茶キノコ。70年代中盤以降に最先端の食事スタイルとして受け入れられたファストフード。バブル期に大流行したティラミス。バブル崩壊後に人気が急上昇したモツ鍋。2000年代に流行したメガフード(メガマックなどの料理)。これらのいずれも「面白そうだから食べる」「話題になっているから食べる」という情報消費型の流行でした。言い換えれば「ファッション」だったわけです。

 さて流行現象と言えば、昨今のネットでは「写真」が流行の発火点になることが多いようです(参考「写真と動画が流行をつくる時代(前編)」)。

 そんなネットで流通する写真からも、ファッションフードは誕生しています。例えば本コラムのバックナンバーで、多様なデコレーションを施した料理の流行を紹介しました(参考「キャラ弁から大根おろしアートへの道」)。具体的にはブログの普及に伴い一般化した「キャラ弁」や、昨年ごろから各種ソーシャルメディアで話題になっている「大根おろしアート」などが流行しています。これらは、ネットで誕生した新手のファッションフードと言えます。

「社会を映し出すコトバたち」のバックナンバー

一覧

「フードな社会問題」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長