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エボラ出血熱は封じられる

ウイルス研究の第一人者に聞いた危機の正体

  • 江村 英哲

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2014年11月11日(火)

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 西アフリカから始まったエボラ出血熱の感染は世界各地に飛び火した。株式市場では売りを仕掛ける材料となり、死者の出た米国では中間選挙の争点になるなど、その拡大が多方面で警戒されている。日本でも5日、感染が疑われる患者が見つかった場合の対応策を、厚生労働省や外務省などの関係各省が協議した。直近ではアフリカのリベリアから帰国した男性が発熱して感染を疑われた。来日したギニア人女性が検疫所で発熱が確認されたが、どちらも検査の結果は陰性だった。しかし、ついに感染者が出てしまった場合、日本ではどのような対応ができるのか。国内にはエボラウイルスなど危険な病原体を取り扱う高度安全実験施設(BSL4)が2カ所存在するが、施設周辺の自治体の理解が得られないため稼働はしていない。

 BSL4の製造から据え付けまでを請け負う日本エアーテック(東京都台東区)の平澤真也社長は「根本的な治療薬やワクチンの研究は米国など海外の研究施設(BSL4)に頼るしかないのが現状ではないか」という。国内で可能な対応策について、ウイルス性出血熱を研究する国立感染症研究所ウイルス第一部の西條政幸部長に聞いた。

(聞き手は江村 英哲)

国内でエボラ出血熱に感染した患者が見つかった場合、ウイルスの検査をできるのはBSL4を備えた国立感染症研究所(東京都武蔵村山市)と理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)の2カ所。しかしBSL4の施設は稼働していないと聞きました。検査は可能ですか。

西條 政幸(さいじょう・まさゆき)
1987年旭川医科大学医学部卒、91年同大学院を修了。87年から1997年まで小児科医として北海道で勤務。95年から1年間、国際協力機構(JICA)のザンビア感染症対策プロジェクトに参加する。97年に国立感染症研究所ウイルス第一部外来性ウイルス室に研究員として着任。10年より同部長に就任。ウイルス性出血熱の診断と疫学などを研究領域としている。(写真:都築雅人、以下同)

西條:「感染が疑わしいと思われる時点」で、それを確認する「病原体診断」を実施することは今のままでも可能です。ただ、陽性反応が出てしまった場合にどうするか。患者に治療薬を投与した後などに免疫力が回復してくれば、血液中のエボラウイルスが減ってくるはずです。この時、本当に減少したかどうかは、ウイルスが入った血液を調べなければなりません。この血液をBSL4より1レベル低いBSL3で扱ってもよいのかという問題が浮上します。

国内ではエボラ出血熱に感染しても満足な治療が受けられないということでしょうか。

西條:確かに、エボラウイルスが入っている血液の扱いは難しいでしょう。これは国内の検査だけに限りません。例えば、「BSL4が稼働する米国なら検査できる」といっても、ウイルスが入った血液の輸送にはいくつものハードルがあります。ですから研究の専門家はBSL4がないことを言い訳に「何もできない」と口にしてはいけません。何倍もの努力が必要ですが、何らかの工夫はできるはず。ウイルスから遺伝子だけを取り出して検査するなど、制限がある中でできる対応をしなければならないのです。

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