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“住商ショック”冷めぬ商社、「資源」で明暗

「総花経営」に投資家から厳しい視線

2014年11月10日(月)

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 「『総花的な投資ではなく強いところに投資をする』と言ってきたが、過去数年の実績を見るとそうなっていない。投資の約半分を資源に振り分けているが、ROI(投下資本利益率)は全く良くならない。なぜ、このような投資が許されているのか」

 住友商事が11月4日に開催した、2015年3月期上半期決算の投資家向け説明会で、ある資産運用会社の担当者は怒りをあらわにした。同社は9月末に、シェールオイル開発の失敗などによって、通期で2700億円の減損損失を計上し、最終利益は期初計画の2500億円から100億円に下方修正すると発表している。上半期はそのうち、1673億円の減損損失を計上したことで、384億円の最終赤字に転落した。

 住商は現在、社内に立ち上げた経営改革特別委員会で、巨額の減損損失を招いた経緯を検証している。その結果を踏まえて、リスク管理体制や投資戦略を見直して、来年3月に発表予定の次期中期経営計画に反映するとしている。

 同社の中村邦晴社長は、「過去の投資案件をすべて、洗いざらい見直している。今回の事態を招いた一番の原因は、マーケットの見方が甘かったことと、投資をする資産の良し悪しを見抜ける力が十分ではなかったことだと考えている」と反省の弁を述べた。だが、投資家の多くは、そうした説明だけでは十分に納得していない。

リスク管理に自信、それでも…

 そもそも、住商は「石橋をたたいても渡らない」と揶揄されるほど、投資には慎重な方だと見る向きも多かった。同社自身、自社が抱えるリスク資産に対する収益性を指標化する「リスク・リターン」という概念を他商社に先駆けて導入したことや、「モンテカルロシミュレーション」なるリスク評価モデルを採用していることなどから、リスク管理に自信を持っていた節がある。

 だが、ある証券アナリストは、「結局は自分たちのリスク管理手法に酔っていただけ。今回の問題はリスク管理というより、経営のあり方そのものの問題点を浮き彫りにした」と指摘する。分かりやすく言えば、それは、ほかの商社の動向を見ながら、自社が弱い事業分野を強化していこうという総花的な経営だ。

 「事業ポートフォリオのバランスを取る」と言えば聞こえはいい。しかし、言い方を変えれば、「ほかの商社が儲かっている事業は我が社もやりたい、という横並び意識に過ぎない」(先の証券アナリスト)

 実際、住商が今回のシェールオイル開発に総額で約1700億円もの投資を実施した背景は、「非常に低かったオイル・ガスの比率を引き上げる。しかも、カントリーリスクの低い国で」(中村社長)というものだった。総資産に占める資源権益の比率を現在の15%から2019年までに20%へと引き上げるという経営目標の下で、他商社に比べて手薄だった石油・ガス分野の強化に打って出たのである。

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「“住商ショック”冷めぬ商社、「資源」で明暗」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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