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米中間選挙がイラン情勢に与える影響

「イランをもってイスラム国を制す」戦略に暗雲

2014年11月11日(火)

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11月4日に投開票された米中間選挙で、バラク・オバマ大統領を戴く民主党が敗北した。上下両院を共和党が制したことで、オバマ大統領の政権運営がより困難になることが予想されている。本当にそうなのか? 具体的にはどのような困難が生じうるのか。 米国政治に詳しい川上高司・拓殖大学教授に聞いた。(聞き手は森 永輔)

米中間選挙で、共和党が上院での過半数を奪還しました。下院でも、民主党との差を広げています。敗因は何だったのでしょう。

川上:私は民主党の敗因は4つあると見ています。1つは、オバマ大統領の不人気です。ただ、この不人気は、事実よりもイメージに基づいたものが大きいと見ています。

 まず外交面で弱腰が指摘されています。昨年9月に、アサド政権が化学兵器を使用したことを理由にシリア空爆を提案しましたが、結局、これを回避しました。またロシアによるクリミア併合を事実上容認しています。イラクとシリアで活動する「イスラム国」への空爆を始めましたが、地上軍を派遣する気はありません。

民主党が敗北した4つの理由

川上 高司(かわかみ・たかし)氏
拓殖大学教授。1955年熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。この間、ジョージタウン大学大学院留学。(写真:大槻純一 以下すべて)

 しかし、よくよく分析すると、オバマ大統領は就任の時に掲げた「米国の再生」を目指してぶれることなく進んできました。例えば、アフガニスタンとイラクで10年にわたって続いていた戦争を終わらせました。戦争での戦い方も、無人機による空爆や特殊部隊による攻撃を主体にするものに変えてきました。いずれも米軍の負担を軽減し、戦費を抑えることにつながる措置です。シリアに地上部隊を派遣しないのも、新たな泥沼を作らないためです。これらはオバマ大統領が信念に基づいて決めてきたことだと思います。

 2つめの理由は民主党の選挙戦略ミスです。オバマ不人気の影響が得票に影響しないよう、民主党候補は「自分はオバマ大統領とは違う」ということを強調する戦略を採りました。これが有権者の不信を招いた部分があると思います。中でも決定的だったのは、ヒラリー・クリントン前国務長官が率先してオバマ叩きに回ったことです。ヒラリー氏は次期大統領選挙を目指して回想録『Hard Choice』を出版。オバマ大統領と意見が対立したことを暴露しています。

 3つめは制度的な問題です。今回の上院の改選議席36のうち3分の2を民主党が占めていました。理由の1と2が、これによって増幅されました。4つめは、第3の理由に関連します。今回、改選の対象になった民主党上院議員には、2008年のオバマ・ブームに乗って当選したオバマチルドレンが多かったことです。

オバマ大統領は、経済政策では実績を上げています。10月の失業率は5.8%、2009年10月のピーク時(10%)から大きく下がっています。非農業部門の雇用者数は21.4万人に増え、9カ月連続で20万人を上回りました。米国の連邦議会選挙はこれまで景気などの内政に重点があり、外交が争点になることは少なかったと思います。今回は特殊だったのでしょうか。

川上:確かに、オバマ大統領はしっかりした経済政策を取ってきたと思います。しかし、ここでもイメージが実績より先行しました。例えばオバマケアがスタートした直後に保険加入システムがきちんと作動せず、国民に悪い印象を与えてしまった。これが響きました。オバマケアの仕組みそのものに対する本質的な批判というよりは、印象からくる批判が強いと思います。

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「米中間選挙がイラン情勢に与える影響」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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