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関空の運営権売却、市場に配慮した募集条件

検討企業のすそ野拡大に期待

2014年11月21日(金)

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 関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港を運営する新関西国際空港会社は12日、2空港の運営権取得を検討する企業への募集要項の配布を始めた。同時に発表した募集要項の概要では、前払いする保証金の下限を低めに設定することなどを盛り込んだ。運営権取得を検討する企業を幅広く呼び込もうと、一定の配慮を見せた形だ。

 新関空会社が実施するのは「コンセッション」という手法。PFI(民間資金を活用した社会資本整備)の1つで、公共インフラの所有権を国や地方自治体に残したまま、運営権を企業や投資家に売却する。「官」から運営権を得た「民」が事業を伸ばす方式だ。

 新関空会社は民間企業に、関空・伊丹両空港の運営を45年間任せる。同社は大阪湾の沖合を埋め立てて滑走路を整備した工事費負担が重く、現在も1兆2000億円近くの債務を抱える。運営権の売却を通じて45年間での債務の完済を目指す。

収益連動負担の選択肢増やす

 今回、新関空会社は保証金の最低金額として1750億円を示した。今年7月に発表した実施方針では4000億円と例示していたが、大幅に引き下げた。当初5年間で全体の約3分の1の560億円を返し、残りの額を45年間、均等に返還することとした。これにより運営企業には、運営開始当初5年間で毎年130億円超が返還される。これにより企業は、運営開始初期の負担額を抑えやすくなる。

 収益に連動して支払額を変える仕組みの選択肢も増やした。これまでは毎事業年度の収益の10%を上限とする収益連動負担金の支払いを提案できるとしていたが、収益が1500億円を超える部分については、10%を上限としながらも、段階分けなどを含めて自由に提案できることとした。つまり運営会社の収益が大きく伸びた年は、新関空会社への運営権対価の支払いを前倒しで進めるなど、柔軟な運用が可能になる。

 運営権の基準価格は従来の年間490億円から392億円に引き下げた。これまで対価に含めていた固定資産税などを切り離し、別途実費精算とするためだ。両空港を45年間運営する対価は2兆2000億円と変わらないが、基準価格の引き下げでバランスシートの圧縮が見込める。

 支払い方法の選択肢を増やし、バランスシートの拡大を抑えたい企業にも配慮した。

100社超が関心表明

 7月の実施方針の内容では入札不調を不安視する声もあったが、今回の条件変更を受けて「入札を検討する企業が増えるのではないか」と期待する声がある。実際、新関空によると、これまで100社を超える企業が関心表明しているという。

 一方で「今回の条件変更は損益計算書(収益)やバランスシート上での配慮が見られるが、結局、支払う金額は変わらない。企業の多くはキャッシュフローをベースに事業を考えており、今回の配慮も不十分な印象だ」(入札参加を検討するある企業の幹部)といった声も上がった。新関空会社は19日、こうした企業への説明会を開いた。その後の企業とのやり取りでも、より丁寧な説明が求められそうだ。

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「関空の運営権売却、市場に配慮した募集条件」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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