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税制改正大綱の裏に潜む本当の課題

2015年1月6日(火)

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 「2.51%の法人税引き下げを勝ち取らなければ、半数の大企業が増税になるところだった」

 2014年末ぎりぎりに決定した自民、公明両党の2015年度税制改正大綱。その柱となった法人実効税率の引き下げ(標準税率34.62%)が、ぎりぎりまで2.43%とされた2015年度の下げ幅が最終的に2.51%となった裏側をある財界関係者がこう明かした。

 関係者によれば、昨年末の総選挙直後の12月15日から自民党税制調査会と官邸、財務省、経済産業省の間で再開した法人税率の引き下げ幅の議論で、いったんは2.43%に固まりかけた。当初から増税と減税が同額になる税収中立にこだわってきた自民党税調と財務省が、ほぼ中立になる水準を主張し続けたためだ。

「繰越欠損」増税が意味するもの

 時の首相の意向にさえ容易に従わなかったかつての自民党税調が税制改正を取り仕切っていた時代ならここで幕引きとなるところ。しかし、日本経済団体連合会の試算では「その下げ幅だと約300社のトップ企業の半数が増税になる」(財界関係者)。そこで経産省、甘利明・経済財政・再生相が再び攻勢に出て、「(トップ企業の)大半が減税になる」(同)2.51%に決着させたという。クリスマスイブのことだった。

 この攻防の裏にあったのは官邸の強い意志だった。わずか0.8%。だが、財政再建にこだわる財務省と自民党税調を押し切り、成長重視の姿勢を見せつけたい安倍晋三首相には重要な下げ幅だった。2015年度、2016年度それぞれ2100億円、計4200億円の実質減税である。

 しかし、大綱全体を見渡してみれば、減税のための財源確保にも配慮せざるを得なかった分、課題は数多く残った。下の表が今回の税制改正大綱の概要である。

目玉は法人税率の引き下げ、贈与減税など
2015年度税制改正大綱の概要
主な項目 概要
法人税 法人税率引き下げ 2015年度2.51%、2016年度までに計3.29%+αの引き下げ実施
繰越欠損金の控除縮小 過去の赤字を、その翌年度以降の黒字と相殺する繰越欠損金制度を大企業について縮小。控除の上限を黒字の80%から2015年度に65%、2017年度に50%に下げる
外形標準課税の拡大 地方税である法人事業税のうち、資本金や人件費、利子といった付加価値、資本金を外形標準として課税する部分を2015年度に現在の5割増、2016年度に2倍に増税する。対象は大企業のみ
受取配当金の課税強化 出資比率の低い企業からの配当について課税を強化。出資比率5%以下で配当の80%を、5~33.3%で同50%を課税対象にする
研究開発減税の縮小 研究開発に使った費用の一部を法人税額から差し引ける制度を縮小
贈与税など 贈与税非課税枠の拡大①(住宅資金) 住宅取得資金のための贈与に対する非課税枠を現在の1000万円から2015年1月から1500万円、2016年1月から1200万円、同年10月から1年間は3000万円とする。2017年4月の消費税再引き上げの駆け込み、反動減対策
贈与税非課税枠の拡大②(結婚・子育て、教育資金など) 結婚・出産・子育てのための資金贈与に対する非課税枠を新設。2015年度から1人当たり最大1000万円。従来からあった教育資金贈与は同1500万円を維持。期限を2019年3月に延長
子供版NISA創設 少額貯蓄非課税制度(NISA)で、未成年者を対象にした子供版を創設。祖父母や両親が孫や子供のために専用口座を開いて投資すると年間80万円まで非課税となる。5年間で計400万円まで可能
エコカー減税見直し 軽自動車税も減税対象に加えたが、燃費基準を厳しくし、全体では縮小となった
地方創生関連 地方移転促進税制創設 本社機能を首都圏、近畿圏、中部圏などから地方に移転した場合、新社屋などへの投資額の最大7%を法人税から差し引くなど
空き家撤去促進制度新設 空き家を放置した場合、固定資産税の軽減措置を適用できないように制度変更。更地にした方が税負担が軽くなるようにする

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「税制改正大綱の裏に潜む本当の課題」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官