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ペンが与えるかすり傷は、銃が与えるかすり傷より深い

パリ在住日本人が見たフランス・新聞社テロ

  • 永末 アコ

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2015年1月15日(木)

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小学校の玄関。ドアにはテロの危険度最高を示す張り紙。地面には「私はシャルリー」のペイントが残されていた

  1月7日水曜日、私は自宅で昼食をとった後、仕事の約束で外に出ようと、アパルトマンを出ると、ドアの締まる音が聞こえたのか、隣人が飛び出して来た。いつになく彼女の顔がシリアスだ。

「ako、今からどこへ行くっていうの? さっき11区で何が起こったか知っている?」

永末アコ
ジャーナリスト/クリエイター
1996年よりパリ在住。フランス人の夫と2人の子どもと共に、パリ左岸のアパルトマンに暮らす。光とオブジェのアーティス トとして、また、フランスのライフスタイルや食文化の情報を発信するライターとして活躍中。2009年には「かわいいだけじゃ暮らせない akoからはじまるパリのABC」(飯塚書店)を出版。2011年にはApp Storeより電子書籍「パリのアン・ドゥ・トワァ」を販売中。

 そう言って私に、ほんの2時間もしない前に起こったシャルリー・エブド新聞社襲撃事件を知らせてくれた。私は外出をとりやめて、着たばかりのコートを脱ぐと、すぐにフィガロ紙のネット版にアクセスをした。

 あの津波が日本の東北地方をのみ込んで行く、上空からの映像を見た時のショックには勝らずとも、ネットの速報記事を読みながら、血が引いていくのを感じた。シャルリー・エブド新聞社は、私が住む13区から自転車でも10分ほどの場所。サイレンの音が嫌に多く聞こえてくることにも気がついた。

 事件を知らせてくれた隣人の若いマダムは小学校の先生だが、出産したばかりで育児休暇をとって家にいる。夫も小学校の先生で、授業が午前のみの水曜日の午後は、普段なら課外活動のスポーツクラブのコーチをするが、その日の課外活動は急遽中止になって、直ぐ家に戻って来ると言う。

「学校に行っている私の子供たちは、どうしているのだろう」。その日は彼らが戻るまで、私は何も手につかなくなった。

 テロは翌8日木曜日にパリ南のモンルージュ、9日にパリ東のポルト・ドゥ・ヴァンセンヌでも起きた。

 東京の山手線内くらいほどしか面積のないパリだから、どこも馴染みのある場所だ。その後3つのテロの犯人が射殺されるまでの3日間、サイレンが絶え間なく街のあちらこちらから聞こえ、ヘリコプターの音が空気を揺らし続けた。

 今でもサイレンの音が聞こえると「またどこかで?」と体が固くなり、時々フィガロ紙のネット版の速報にアクセスしてしまう。

13日の新聞「ディレクトマタン」

コメント55件コメント/レビュー

自分もフランスに過去数年間住んだ人間として、この記事に半ば賛同しつつ、半ば違和感を覚えるのは、言われた相手の気持ちを思いやることは、個人が気にかけるべきことであっても、ジャーナリズムが目指すことではないと思うからだ(政治家がどう思うかなど、気にしてどうする?)。ヴォルテールは実際には言っていないようだが、彼の言葉とされている"Je ne suis pas d'accord avec ce que vous dites, mais je me battrai pour que vous ayez le droit de le dire"(私はあなたの意見には賛成しないが、あなたがそれを述べる権利を持てるように闘おう)という言葉こそ、シャルリー・エブドの主張に賛同しない者も(私も含めて)、自らが検閲者とならないためにも、肝に銘じることではないのか。(2015/01/21)

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自分もフランスに過去数年間住んだ人間として、この記事に半ば賛同しつつ、半ば違和感を覚えるのは、言われた相手の気持ちを思いやることは、個人が気にかけるべきことであっても、ジャーナリズムが目指すことではないと思うからだ(政治家がどう思うかなど、気にしてどうする?)。ヴォルテールは実際には言っていないようだが、彼の言葉とされている"Je ne suis pas d'accord avec ce que vous dites, mais je me battrai pour que vous ayez le droit de le dire"(私はあなたの意見には賛成しないが、あなたがそれを述べる権利を持てるように闘おう)という言葉こそ、シャルリー・エブドの主張に賛同しない者も(私も含めて)、自らが検閲者とならないためにも、肝に銘じることではないのか。(2015/01/21)

正に「“ペンは剣より強し”というならば、ペンで人を傷付けることは考えないの?」と思っていましたので、同じことを考えている方がいて、ほっとしました。また、フランス在住の、非欧州文化圏出身者の方の感じたことを知ることができて、ためになりました。下手に理屈で武装した大人より、心の柔らかな子供たちの方が、ちゃんと人の心に寄り添った考え方ができる。子供たちには、ぜひともその素直な心で、世界を変えていってほしいと思います。(2015/01/20)

新聞社で皮肉をユーモアっていって・・それで傷ついた人々は表現の自由を縦に抗議も対抗も出来ない。それこそが不均衡・不平等ではないか?。福島のユーモア(皮肉)の絵を見たときに怒りしかこみあげていなかった。それをおフランス人は、”ゆーもあがわからない原始人”と評するのであろうか?。恨みしか買わないと思うのは、僕だけだろうか。(2015/01/20)

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