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国際規格も「コンセプト勝負」

インダストリー4.0にみる、標準化の新潮流

2015年1月23日(金)

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 「こんなところから攻めているのか」。昨年秋、経済産業省のある中堅官僚は息をのんだ。政策検討のために「インダストリー4.0」と呼ばれるドイツ発の製造業革新の動きを調べていた時のこと。関連技術の国際標準化に対するドイツ企業のアプローチが、日本企業のそれとは大きく異なっていたからだ。

IECの組織構成とIndustrie4.0関連の標準化に向けた検討の枠組み
(出所:経済産業省)

 国際標準は通常、ISO(国際標準化機構)やIEC(国際電気標準会議)といった標準化団体の技術委員会(TC)と呼ぶ場で議論され、策定される。工場関連では、例えばロボットや工具といった要素技術ごとに技術委員会が設けられており、日本の企業や業界団体もそこに提案をしてきた。「優れたニッチトップ技術によって、日本企業が国際標準を勝ち得てきたものは少なくない」(経産省)。国際標準を得ることで、事業競争力にもつながってきた。

 しかし今回、ドイツ企業が目を付けたのは技術委員会ではなく、もっと上部の組織だ。

 電気工学や電子工学に関する国際規格の標準化団体、IEC。この中に、市場戦略評議会(MSB)と呼ばれる部門がある。市場戦略評議会の役割は先端的な技術トレンドや市場のニーズを踏まえて、「これから国際標準化が必要になりそうな技術分野や大枠の方向性を提案すること」だ。独シーメンスや独SAPは昨年、ここに「Factory of Future(未来の工場)」というコンセプトを持ち込んだ。

 市場戦略評議会は1つ1つの技術について細かく話し合う場ではない。だが、ここで「どんなテーマが議論されているのか」は、同じIECの中にある標準管理評議会(SMB)という部門が常にウォッチしている。標準管理評議会には技術の専門家が集まっており、「標準化すべき分野の具体化・整理をし、必要に応じて技術委員会を設置する」という役割を持つ。

 つまり、市場戦略評議会で議論された内容は後々に、技術委員会で話し合う要素技術の国際標準づくりに影響を及ぼす可能性が高い。市場戦略評議会は今年6月に「Factory of Future」に関する報告書(ホワイトペーパー)を出す予定だ。関係者は「1~2年後にTCでの詳細な議論に落とし込まれ、そこから3~5年かけて詳細な国際規格が決まるのでは」と見る。

 そうなると、技術委員会に落としこまれた時点ではすでに、様々なところで議論が尽くされているという状況になる。日本企業の得意分野がコンセプトの時点で除外されてしまう可能性もゼロではない。「技術委員会で日本が意見をしても、『今更何を言っているんだ』となってしまうのではないか」と前出の経産官僚は懸念する。ドイツ勢に対抗して、米国勢も技術委員会での議論に影響を及ぼす戦略グループ(SG)と呼ばれる組織に「Smart Manufacturing」と呼ぶコンセプトを提案しており、いずれにしても日本はフォロワーだ。

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「国際規格も「コンセプト勝負」」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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